富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

一月廿七日(土)安倍内閣メールマガジン号外「教育再生特集」届く。安倍三世曰く
美しい国、日本」の実現のためには、その基本は次代を担う子供や若者の育成にあります。教育再生は、安倍内閣の最重要課題です。昨年末、60年ぶりに教育基本法が改正され、教育再生の理念と原則が確立しました。
と。わかりやすいといえばわかりやすいが、国家戦略として「美しい国」実現のため理想的な国民の養成が必要、なのは近代国家らしさ。教育再生、再生と何かの一つ覚えの如く連呼するが、それほど教育が死に体であったのか。米国にとってのアルカイダの如く、美しい国日本においては教育くらいしか「諸悪の根源」に値するものもなくスケープゴートの如き「教育」の有り様。勝手に教育基本法を好き放題で改正しておいて「教育再生の理念と原則が確立しました」とはお笑い草。本来であれば最も重要課題は「政治再生」なのだろうが……。やはり昨晩しっかりと風邪をひいたようで鼻水と喉痰、喉痛に悩まされ早朝に養和病院。服薬するととたんに喉痛と鼻水が収まったが薬が効きすぎ喉は空々、朦朧とするほど。本日は午前も午後も諸用あり。日本人学校(Happy Valleyの小学校)のオープンデーで古書バザーもあったが面白い本がほとんど見つからぬので覗かず。だいたい皆さん面白い本は手許に置いておくわけで「どうでもいい本」に当たるハウツー本や金融経済の仕組み本、推理・武侠小説の類ばかり放出するから延々とその本がバザーに出てくる。昏時早々に帰宅。豚と韮の鍋。「モンテクリスト伯」少し読み早寝。
▼South China Morning Post紙で編集高層部に人事異動あり。HK Standard紙の老練編集者Mark Clifford氏が昨年4月にSCMP紙の総編集長となり近々編集長のFanny Fung女史が離職、現在Executive EditorのCK Lau氏が編集長に就任の由。CK Lau氏といえば十年ほど前迄は教育問題などに詳しい記者で風貌からして生涯一介の記者然とした人だがSCMP紙でここまで出世しようとは。物言えば唇寒し南華かな。
蘋果日報に左丁山の説くところによれば、今年三月の香港行政長官選挙は投票所が空港の先のAsia World Expoの由。本来であれば湾仔の展覧中心ででも挙行すべきところ、自動車で片道40分かけて各界のお偉方が投票に向うとは(投票率がけして下降せぬであろうことは提灯選挙ゆゑ明らか)。05年に行政長官前任の董建華君が「脚痛を理由に」行政長官辞任し後任を「自称政治家」Sir Donaldが襲ったがSir Donaldの任期が就任から規定通りの5年なのか、董建華の任期残存期間なのか、で最終的に北京中央の全人代常委で後者と決まり07年の選挙が確定したが「見本市で糊口を凌ぐ」香港で湾仔のコンベンションセンターの予約は数年先まで一杯。で、行政長官選挙だというのに場所の確保ができず最果ての地Asia World Expoになった由。

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