富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-01-15

一月十五日(月)数年ぶりに中環のColorsixにて焼いた写真受領。やはりフィルムカメラはやめられぬ。月刊信報に広告と割引券のあったRaw Materialという服屋が中環にあり支那服調の綿や混合の麻のジャケットがなかなか風情あり一着購入。生地の染料は自然のもの、鈕はニッケル入りを使いません、と当世風にいえばロハスっぽい。早晩であるから中環のカメラ屋数件冷やかしてFCCハイボール二杯、のつもりがどうも胃腸の具合悪しくすごすごと自宅近所に戻りC医師の診断請う。胃腸風邪。帰宅して新聞雑誌じっくりと読む。キャセイパシフィック航空から電話あり。1月21日よりCXは成田空港は第二ターミナルに移ります、と2月にフライト予約していたものだから丁重に電話連絡あり。必然的に成田では香港からの往路で第二ターミナルに到着するのだから旅客はターミナルの変更を知るのにご丁寧に電話で確認とはCXのホスピタリティに敬服。ラウンジがどの程度のものかにも期待。せめて香港国際空港のテイストのまま小型化した、台北蒋介石」空港のラウンジの雰囲気になるといいのだが。白菜と豚肉の鍋。福徳長酒類の「博多の華初垂れ」という焼酎、数ヶ月前に門司のK氏にいただいたもの。「なかなか手に入らない」というだけあって44度の焼酎は五糧液のような芳香あり。Far Eastern Economic Review誌の11月号、『GR Digital Perfect Guide vol.2』読む。
内閣支持率奮わぬ安倍三世はセブ島での東アジアサミットでも
拉致 拉致と 拉致がなければ 埒あかず
中韓の反対押し切り宣言に北朝鮮による拉致問題を盛り込む。北朝鮮拉致問題以外に「点取り」のない安倍内閣。しかも「北朝鮮の脅威」は政府与党にとって金日成将軍様々。Far Eastern Economic Review誌11月号でも北朝鮮問題の特集“Fallout From Kim's Bomb”のなかで“Kim Jong Il's nuclear test might be the catalyst for Japan to amend or reinterpret its constitution”と指摘あり。御意。ところで、不祥事の不二家に対しては「企業の倫理責任」だの消費者が「裏切られた思い」だのと怒り顕わ。一般市民がテレビカメラに向い「深刻にお詫びとか公言しても、実は裏で、不二家だから、舌を出しているんじゃないですかね」なんてテレビのコメンテーター顔負けの、いかにも制作サイドが喜びそうなコメントを提供。この民間企業への厳しさが、なぜ政府与党相手になると、TM問題にせよ、大臣の不祥事でも、突然、怒りが和らぐのか。お上に対する非常に阿Q的な低姿勢。昔、酔った大人が「だいたい岸だの佐藤なんてのは」と口にするのをあたしは聞いて育ったが、最近、首相への「さんづけ」は当たり前のようで、話の俎上に首相が上がると誰彼ともなく「小泉さん」「安倍さん」で、わざと「だいたい安倍が、さぁ」なんて言って誰彼の顔色伺うと皆さん自然と同調せぬ御時世よ。で、春闘ではトヨタ自動車が昨年の満額回答にさらに今年は好景気反映して1,500円のベースアップ勝ち取るぞ!と。トヨタ自動車が中国にあったら年で100人民元のベースアップなら即刻、従業員離散であろう。1,500円は深夜のアルバイトの時給。これじゃニートなど増えるはず。ブッシュはブッシュでさらに「イラクで兵力増強」。反対する民主党に対して「反対するなら具体的な代替案を出せ」と宣う。自分が相手のシマに雪崩れ込み暴れておいて収拾つかなくなり「やめたほうがいいんぢゃない?」と言った者に「それぢゃどうすればいいのか、何かいい策略でもあんのか?」と。ただの愚連隊。
▼FEER誌の11月号ではシンガポールの読者から偉大なる領袖、李光耀将軍様支配の実態を「よくぞ言ってくれた」と前2号でのシンガポール特集に好意的な投書いくつか掲載あり。読者の一人曰く、シンガポールのまさにエリート社会は、李光耀将軍様自身がエリートなばかりか夫人が英国でQueen's Scholarを授けられ、三人の子もシンガポールの大統領表彰の奨学生、この李王朝の「王室」に嫁ぐには嫁も大統領表彰の奨学生レベルでなければならぬのは、まさに優性主義。政府高官になるにも政府奨学生であることが云わば実質的な条件で、エリート支配、非エリートは卓越なる支配下に甘んじよ、とその社会構造。その不健全さ。

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