富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-12-18

十二月十八日(月)晴。倫敦にいたらなぁ……とため息、なのがSerpentine Galleryでの、In the darkest hour there may be lightという展覧会。SCMP紙に紹介記事があったがBanskyとあるのは Banksyの間違いでしょうが、Banksyが一枚、欲しい。早晩に尖沙咀東の永安プラザにある新富山撮影器材公司(New Francisco Photo Co.)。かつて尖沙咀ハイアットリージェンシーホテルG階アーケードLock Rd側にライカ専門店の富山撮影器材公司(Francisco Photo Co)あり。ライカなど高嶺の花で、眺めるのはタダでも「敷居が高くてとても入れない」状況が十数年続く。Lock Rdにはスヰンドン書店あり時々通るのだが「ライカをただショーウィンドウで眺める」のが辛い。でいつもスヰンドン書店側の歩道を歩き「フランシスコには近づかない」ようにしていたが数ヶ月前にこのホテルの廃業と建物取り壊しでフランシスコの移転先の掲示もあったが「敢えて見ない」でいた。がこの一ヶ月の今太閤か紀文のノリでライカのカメラ本体こそ得ぬがR-D1sにライカレンズ装備することで「一応、ライカのユーザー」となったことで「フランシスコが何処に移転したのか」が気になり「永安プラザに新フランシスコがある」と知ったが今度は今度で散財が怖くて近づかずにいたが(前置きが長いが)ついふらっと寄ってしまう。但しライカ扱う店にふらっと寄っても「どうせ冷やかし」と思われるのがオチで、ちょうど競馬で永年愛用するライカの双眼鏡Ultravid 8x20の皮ケースを買おう買おうと思っていたので「8x20の皮ケースを買いに来た」と店に入りさっさと買い物済ませ店内にずらりと並ぶライカのカメラや珠玉のレンズたちを惚れ惚れと眺めていると主人に「何かお探しもので?」と声をかけられ暫しレンズ談義。ライカレンズが今では安くない香港でSummilux 50mm f1.4が尖沙咀の某ライカ取扱店に比べ数千ドル安値。中古でも80年代のかなりコンディションのいいレンズあり。「カメラ持参でまた来るから」と店を出る。ライカ扱う店にいちおうユーザーとして入れるだけ我ながら「オヤジになったなぁ」と感慨深いものあり。中環に戻り晩にExchange Squareの最上階にある香港美国會所(香港アメリカン倶楽部)。ブッシュ以降、米国には一切足を踏み入れておらずアメリカンクラブへの進入も個人的にはPolitically IncorrectなのだがI氏のお招き受ける。バーでドライマティーニ一杯。館内のレストランThe Clipperにて赤葡萄酒飲みながら極上の米国産牛肉で8ozの紐育カットをレアで食す。美味至極。御仏に仕える身でありながら二日続けてビフテキなど食してしまった。肉の種類でサーロインだのテンダーロインだのあり、焼き具合は常識だが脂身の多少で脂身の少ないangusだのprime、dry agedなどあることを初めて知る。
▼スターフェリーの中環側の波止場の移転により旧来の波止場建物取り壊し工事始まり反対運動だの立法会での旧波止場取り壊しに関しての討議などあり。週末にこの波止場建物の象徴的なる時計台が解体され、それに抗議する反対派市民らが抗議行動。政府の「抜き打ち」の解体工事と非難されるが政府側はビクトリアハーバーの埋立てについて世論も懐疑的であること承知としつつ七年前だったか立法会にスターフェリー波止場の移転含む中環港岸の埋立てについて発案し具体的な反対審議もせぬまま謂わば黙認か無関心で今日に至り既に新しい波止場が使用開始された今になって猛烈反対は理不尽と反論。信報社説も香港の象徴的な建物の一つの解体とはいえ今になって反対しても遅すぎる、と指摘。

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