富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-12-05

十二月五日(火)最近のカメラづいた日々。とある経緯から本日、RicohのGR digital入手。GRレンズが見事なのは言うまでもないが手に収まるほど小さなボディに絞りからシャッタースビード、露出補正、ホワイトバランスからオートブランケット等々必要な機能だけが実に見事に使い勝手もよく装備されており脱帽。それとは別にEPSONR-D1sは昨日、専用の革カバーを得たがElmarit 28mmのレンズ装着したままだとカバーできないわけで「カバーをするため」にSummicron 50mm f2のレンズも入手なんて言うとズミクロンに失礼だがレンズ表面にかなり摩耗の傷あり、で超廉価の沈胴式(1954年から製造の第1世代)。試しに撮影してみると妙なボケ具合も(本来なら調整必要なのだろうが)それはそれで愉しい。それともう一つ、最近、かなりいいコンディションの殆ど未使用に近い中古でNikonニッコールED 180mm f2.8という望遠レンズも入手。もうニコンの一眼レフから離れた、ようなつもりでいたが実はデジタルでの話でして手許にはまだニコンF2と黒胴のニコマートELがあり(ほとんど飾り物と化しているのが残念だが)この望遠はそれように(いったいいつ使うのか)。ニコンについてはすべて亡父に感謝せねば。晩にカメラいじりながらドライマティーニ飲む。至福の時か。晩に鮭の炊込みご飯。菊正宗。ライカレンズの本や父の残した八十年代のカメラ雑誌のニコマートレンズの特集号など読む。K氏にいただいた門司の梅園の河豚最中頬張る。いじめ、いじめと連日の日本のニュース。昔もかなりひどいイジメがあったよねぇとZ嬢と話す。女の子のスカートをまくり上げ頭の上で縛ってしまうのようなイジメが中学の時にあった、と先日K嬢と話題になったが、それを余は「ほおずき(酸漿)」と呼んでいたがZ嬢は「巾着」だった、と。やられた方は冗談じゃなかろうが当時はそれほどそれが当たり前だったのか。その子が自殺してしまうなんて誰も想像もせず。
西武鉄道グループで堤清二ら創業者康次郎氏の子や孫らが堤義明氏らを相手に違法なコンツェルン再編で株価下落し損害被ったとして提訴。『オール読物』とかの三流社会派小説みたいな話。義明氏は或る面とてもわかりやすい経営者だが堤清二という人は会社経営では結果的に失敗、リベラル派財界人の面持ちもあれば作家だか詩人だか知らぬが、いつも被害者ぶるところばかり目立つ。結局、この人な何ぞや? ところで突然、西武百貨店の水野誠一氏のことを思いだし、参議院議員のあとはいったい今は何をしているのかしら?と思ったら、何だか21世紀になっても、まだたった一人で「おいしい生活」な実体のないプレゼンテーション(?田中康夫)しているのね、と納得(こちら)。
▼米国のボルトン国連代表大使辞任。先の中間選挙での民主党勝利受けての由。ラムズ某国防長官といい米国の政治はわかりやすいし選挙での民意の反映ぶりという意味では民主主義の国か。それでもこの<学習>のためにいったい何千人、何万人が犠牲となっているのかしら。オバマ上院議員は先週だったかスピーチで
the American people have sent a clear message that the days of using the war on terror as a political football are over.
と述べる。事実だがこれに気づくための911からの日は余りに惨い。
朝日新聞にヘルムート=シュミット元独逸首相のインタビューあり。首相辞任後の今は独逸の高級週刊評論誌Die Zeitの発行、経営に従事。日本でいえば宮沢喜一が首相退任後に「週刊エコノミスト」の編集人になるようなもの、或いは中曽根大勲位文藝春秋発行人とか……有り得ないが。小泉三世が青春出版社月刊ビッグトゥモロウ(まだ存続していたことに驚いたが)の編集長とかお似合いではないか? でシュミット氏、相変わらず知的で素敵。
政治家は自国の歴史を語らなければならない。同時に安倍首相は日本の国民に対しても、自国や他国の歴史についてもっとよく知ってほしい、と言うべきだろう。例えば、漢字や儒教禅宗といった精神文化が古代の中国から、あるいは朝鮮半島を通して日本に伝来したことさえ知らない日本人が少なくない。中国や韓国の対日不信の根源が、19世紀後半から20世紀にかけての日本の行動にあったことを学んでいない。
と語る。さすがに「漢字や儒教禅宗といった精神文化が古代の中国から、あるいは朝鮮半島を通して日本に伝来したことさえ知らない日本人が少なくない」はちょっと言い過ぎかも知れぬが(実際にそうだったりして……)これは「そういった日本のアイデンティティにおける大陸的なものを認めない人がいる」とでもとるべきで、安倍三世は「日本の国民に対しても、自国や他国の歴史についてもっとよく知ってほしい、と言うべき」どころか実は安倍三世本人が「もっと知るべき」。ところでこの取材、朝日のヨーロッパ総局長がしているのだが、
週刊誌「ディー・ツァイト」本社の彼の執務室にはテレビがない。流暢な英語で1時間半語り続けた間、たばことライターを片時も手放さなかった。
って、独逸を代表する政治言論人相手に「流暢な英語で」なんて書くとは……情けない。大新聞のヨーロッパ総局長でも「英語が上手かどうか」なんてことが気になる程度なのか。編集担当デスクもこんな陳腐な表現削ればいいのに。

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