富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-12-03

十二月三日(日)マカオラソン当日だが諸用あり不参加。終日、九龍塘。ご一緒の旧知の面々に昼食に誘われるが巨大ショッピングセンター(Festival Walk)での日曜日の昼食なんでぞっとして遠慮。晴天ののんびりした晝、高級低層集合住宅が並ぶ又一村の静かな緑地帯を抜け南山邨の団地。窗から物干しが伸びて洗濯物が泳ぐ風景もあとどれくらい香港の風物詩であるのかしら。数年ぶりにこの団地の街市にある嘉湖に雪菜雲呑幼麺を食す。1949年開業の上海流れの食堂。端午の粽が馳名。南山邨の団地は何軒もの安食堂の充実は香港でも屈指。昔いろいろお世話になった香港中文大学の余均灼先生が上梓された『現代日語語法詳解』読む。早晩にFestival WalkのTasteなる食料品スーパーでフランスパン、チーズとライム購い帰宅。晩に野菜中心の前菜で豪州 Penfolds Rawson's Retreatのシャルドネ(02年)飲んでトリュフオイル(トリュフぢたいに非ず)で鳥肉のパスタ食す。
NHKのドキュメンタリーで医療保険料未払いで保険使えず疾病に悩む人たちの話あり。保険料未払の場合に健康保険証支給の代りに資格証明書支給され本人が10割負担して保険料納入すると初めて保険金支給ある、のが制度。負担の公平性のため、という。貧困で未払いの場合は通院できぬのなら「死ね」と言うようなもの。日本全国で32万人。香港の場合、公共の医療保険制度はない。が、まず公立病院の診察料、医療費はとても安く抑えているため、最低限の医療費さえ払えば医者の診断と治療を得られる。ここで貧困層の医療問題はまず軽減される。更に治療を受けて医療費が払えなくても「貧乏だから死ね」とはいわず継続治療も可。勿論、そこで未払いが起こり医療費の所謂「売り掛け」が増大する問題はある。が非常に大陸的なのは「金持ちが多く負担する」ことで「貧乏人は養ってもらう」のを富裕層は尊大に優越感を覚え貧乏人も阿Q的?にそれに甘んじる関係が成り立っていること。で日本の国保のような悲しい問題が累積しない。それにしても不思議なのは、そういった保険料未払いで持病の治療すら受けられぬ人たちがなぜ叛乱を起こさないのか?ということ。国民の医療負担増は中曽根行革に始まり小泉三世の税制改革で徹底的に負担が高まる。それなのにテレビ見て小泉さんに親近感覚え郵政選挙自民党に一票いれていないかどうか。32万人が医療費の問題で政府与党に反発し比例代表制共産党支持でもしたかどうか。政治とはそういう力で動かせるはずなのだが苦労して働き年老いて福祉すらまともに受けられず、の人たちが泣き寝入りになってしまう。
▼北京飯店がラッフルズホテルと提携し長安街に面した旧館大規模改造して広さ九百平米、一泊8萬元の総統房(Presidential Suite)など北京五輪に向け拡充の由。最高の部屋なら毛沢東房とか主席房にすべきだが……。また北京やこのホテルに因む文化人や政治家などの名前つけたSuiteもあり。郭沫若先生などの名前も用いられるがさすがに「蒋介石の間」はない。

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