富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-11-11

十一月十一日(土)晴。蒙霧。昼だけ時間が空きジムで小一時間鍛練。早晩にZ嬢と尖沙咀の京笹に食す。相変わらずちょっと気のきいた肴あり。カツ丼。晩に文化中心にて草刈民代のバレエ“Soir?e de Danse Roland Petit”観る。草刈民代のプロデュース、ローラン=プティが振付、巴里、上海、台北に続く香港公演で来週から日本各地で10数公演。プティの演出したピンクフロイドバレエが観られると期待。序幕からピンクフロイドの Run Like Hell でモンゴル出身の24歳だかの若手Altankhuyag Dugaraa君が見事に踊って見せる。ピンクフロイドから3曲、その後クラシックのポピュラーで4曲、中入り、後半は前衛的なバレエからコメディまで、途中から「ラスベガスのホテルのショー」の如きモジャズダンス?風の踊りで最後まで行ってしまい、結果、なんだか何がしたかったのか?、トータルコンセプトが全く不明。草刈民代のプロデューサーとしての新機軸にローラン=プティが贈った振付だと言うのだが……。草刈民代知名度で、「いろいろやってみせました」で客も入ろうし、草刈民代がやる、というだけで喜んでくれるお客さんも多かろう。が、アクロバティックなテクニカルな踊りなら今では上海雑技団などかなりの水準、コメディなら見事なコメディダンスカンパニーもあり、ラスベガスのショーならバレエダンサーよりもっとプロがいる。なぜバレエダンサーがそれを真似しなければならないのか。サブタイトルでASIENCE Discovers the Asian Beauty in Balletと銘打つが草刈民代20年代だかのクラブで魅力醸す女を演じてモダンダンスで踊ってみせても、宝塚のようにショーアップされているでもなし美輪明宏のような妖艶さでもなし越路吹雪のように歌うでもなし、結局、中途半端。最後のアンコールも無理矢理で而も本編のエンディングでの演出のダンスそのままくり返し。プティのピンクフロイドバレエの演出を蒙古の若い踊り手のソロで見られただけが収穫か。今晩を最後に天星小輪(スターフェリー)の中環側の埠頭が沖合埋立地に移転。旧来の埠頭への郷愁か今晩はかなりの人出になる由。文化中心ならスターフェリーすぐそばだが人ごみ恐れ地下鉄で帰宅。
▼昨晩Dr.Haseという英国人の香港史研究家がRoyal Asiatic Society香港支部の講演会で1899年の新界割譲について新界の?家中心とした土民の反英蜂起について講演会あり。寺山の映画で聞き逃したが今日のSCMP紙に詳しい記事あり。北京の清朝は99年の年期での英国への新界割譲にあっさり応じたが地元民にとってはたまったものぢゃない。新界に住まういくつかの氏族が英国植民地政府の新界占領に合わせ武装蜂起するという計画が察知され英国軍と軍事衝突し数百人の命が奪われた、という史実。あまり注目されなかったが、このSCMP紙の記事でも南京虐殺天安門事件と同じく史実として記憶されるべき、と。ちなみに湾仔から銅鑼湾に走るLockhart Rdに名を残すLockhartも当時の英国植民地政府の治安高官の一人で英国政府に対して新界割譲につき大きな衝突もなく無事に成功と報告の主。

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