富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陰暦九月初二。霜降。毎日公私数十通のメールを齷齪と送受信。「メールの返事が早い」とよく言われるが、それでもちょいと返事が面倒なものだの溜まり始めると懸案メールが十数通となりメールソフトのinboxとdraftにメールが増える。昨日、部屋を片づけたことに気分よくして今日は「溜まった」メールの処理に精を出す。某進学校で日本史教える畏友J君に修学旅行の案はないか?と打診受け香港ぢゃあまりに「ありきたり」、で考えたのが香港も新界の屏山など在郷の土地文物、湿地公園はダメだが米埔の奇跡的に残る野鳥飛来地、深?は錦繍中華ぢゃなんだが日系製造業の数万人の謂わば女工が精密機器製造に励む工場の見学、広東省中山市に孫文の足跡を辿りマカオ世界遺産見学ならじゅうぶんに社会科学習できる修学旅行になりゃせぬか、とご提案などもする。晩に「きのこシチュー」食す。山崎をロックで二杯。読書。
▼東京都では石原都知事三選出馬明言で、悲しいかな外国人差別や蔑視(例えば姜尚中教授への誹謗こちら三国人発言こちら)、自分だってジジイのくせにババァ蔑視(こちら)、他国への軍事攻撃の煽動示唆、公園など公共空間からの野宿者排除推進に加え東京五輪誘致と景観整備口実に新たな社会的排除行うこと公言(九月二日都新聞こちら)。「メンタル面では、日ごろの情操を培う基本的なものを精錬するとかね。新宿の二丁目と歌舞伎町は美観とはいえないよね。銀座でもごてごてと色があるし。景観法ができたし、規制力のある条例を今年中に作ります。」と。新宿二丁目内藤新宿以来の花街で赤線の時代経てゲイ街(Japan Gay News #998こちら)。歌舞伎町も綺麗だろうが汚かろうが歓楽街で人種の坩堝、風俗も盛ん。五輪誘致名目に自分に不愉快なコミュニティやまたそこで生活する人々の排除。そういったものが排除された社会がどれだけ美しいのかしら。住みたくはない。
英国国教会Anglicans(聖公会派)のカンタベリー大主教が訪中。北京の朝陽教会でミサ行う。世界中に七千万人の信者有する聖公会派司教はそれぞれの国の必要に応じての心の自由(inner freedom)が必要として、
Christians must develop an inner freedom. A freedom that allows them to see the truth about themselves and their society. It is very important there are people in this country with that kind of freedom, people who are able to say the question is not only about economic prosperity, it is about human dignity.
と述べる(暗にカソリック教会の反政府的な宗教の自由への動き牽制と受け取れるのだが)。宗教問題は中共政府にとって政治的自由、少数民族対策に並び重要なわけで愛国教会を組織させ管理下に置く。朝陽教会は北京市党委員会宣伝部と北京市基督教会により設立された教会建物。中共政府と関係改善されぬ羅馬カソリック教会などの動きに対抗すべく愛国キリスト教諸派への便宜供与。そこで羅馬カソリックとは歴史的に因縁深い英国国教会大司教招いてミサ執り行い、英国国教会側もこの中国政府の宗教政策事実上容認する、信者への自由についての解釈。共産党政府と宗教団体の見事な政治関係。

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