富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十月十三日(金)恒生インデックスが18000超え97年当時のバブル期上回る史上最高値記録した由。所属するランニングクラブの関係で、ある旅行会社から打診あり香港政府の観光局からのオファーもあり香港にウォーキングツアー送り込む企画あり、と。近ツリ社であったかずいぶん前から「香港の山歩き」組んだツアーあり、てっきりそういったのんびりしたものか、と思えばさに非ず。二百〜三百人の一団(ってチャーター機一機分?)が香港に押し寄せウォークラリーのような催事、而も「競走」の由。地元のマラソンやトレイルイベントへの参加に非ず。誰が準備して誰が当日の応援するのか。政府観光局にそこまでの知恵もノウハウもなし。アウトドア団体が「香港への観光客誘致のため」に地元の地理にも不案内な日本人だけの数百人のイベントに協力するか。せぬわな。ジャッキー=チェンのファンの集いではかつてジャンボ二機飛ばした実績もあろうがリスクや事故の責任など考えたら山歩きは危険すぎ。諸事打ち切り早晩にFCCに寄りハイボール二杯。寛ぎたいところだが昨日の日剰綴る。FCCもやたら賑わっていたが中環に下ると仙台なら大崎八幡宮どんと祭の如き人出に何事かと思えば蘭桂坊にて毎年恒例のカーニバル開催の由。ふだんから立ち入らぬ「ガキの遊び場」と化した蘭桂坊、今の呼び方ならLKF、催事開催では更に恐ろしいかぎり。帰宅。芋煮る会の如き山芋の汁、潮州料理風の浅蜊と葱のオムレツ、油菜など。赤芋の炊込みご飯。NHKのNW9が国連の安保理決議がトップニュースなら、BBC WorldのAsia Todayはムハマド=ユヌス氏のノーベル平和賞受賞取り上げ、BBCベンガル語放送の担当者が(英語で)詳細にわたりユヌス氏の仕事や、農村銀行の背景について語る。文藝春秋十一月号読む。
▼香港は街頭に企つ淫売婦よりもマンションに部屋構え淫買客待つ「鳳姐」多し。九龍や北角の雑居大廈は私娼家化激烈。同じ階にずらりと淫売宿並ぶ所もあり。尖沙咀天文台道のある私娼フロア?にて、扉のまえにT-backの誘惑的な水着姿で企ち通りがかり(ってすでにマンションの楼上に上がっているが)の客の品定めに応ず私娼あり。私娼家の「顔をさらけ出して客引きせぬ」掟破りで隣家の鳳姐と口論となり客引いた娼婦が鈍器で頭殴られる事件あり。この世界なりの習わし、規則などあり。
根津甚八秋吉久美子の「さらば愛しき大地」ならビデオで見られるが同じ鹿島を舞台に石原裕次郎で「甦える大地」(中村登監督)という映画あり、と畏友J君に教えられる。裕次郎の「黒部の太陽」に続く作品。茨城県知事岩上二郎君と鹿島の開発関係者や住友金属などの話が下敷きで、鹿島臨海工業地帯の「開発の苦闘と賛美」みたいな内容で興行的には大コケの由。当の鹿島の人たちもそんな映画あったことすら忘れているかも。裕次郎の他、司葉子三国連太郎川地民夫浜田光夫に渡哲也と渋いところ。

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