富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-10-05

十月五日(木)昨日、Hazeという「靄」だか「霧」だか、あたくしはこれに「朦霧」という言葉を創り……などと書いたが、実は「朦霧」という言葉はすでにあり、それどころか日蓮聖人が『立正安国論』のなかで
廣く衆經を披きたるに專ら謗法を重んず。悲しいかな、皆正法の門を 出でゝ深く邪法の獄に入る。愚かなるかな各惡教の綱に懸かりて鎭に謗教の網に纒はる。此の朦霧の迷ひ彼の盛焔の底に沈む。豈愁へざらんや、豈苦しまざらん や。汝早く信仰の寸心を改めて速やかに實乘の一善に歸せよ。然れば則ち三界は皆佛國なり、佛國其れ衰へんや。十方は悉く寶土なり、寶土何ぞ壞れんや。國に 衰微無く土に破壞無くんば身は是安全にして、心は是禪定ならん。此の詞此の言信ずべく崇むべし。
とまで書いていることを初めて知る。だが、この深く立ち込め晴れぬ霧、こそhazeにはぴったりフィットかしら。本日諸事忙殺され晩に至り二更に銅鑼湾のバーSに寄し一飲。ニッカウヰスキー余市」。帰宅の途にふと空腹感あり気がつけば夕食を未だとっておらず。が酒は飲んだ自らに恥じ入るばかりだが無性に腹が空き深更ながら「そごう」裏の利苑粥麺に雲呑麺食す。深夜のどーでもいい夜食程度で、此処も場所柄どーでもいい食い物供して十分にやっていけそうだが、この絶好のロケーションでどーでもいい時間にきちんとした雲呑麺がHK$20で食せるのだから有り難いもの。日本での深酒のあとの脂ギトギトの拉麺に比べたらあっさりと雲呑麺食せることも有り難い。而もこの麺家、土曜日は江瑤柱麺、日曜日は特製鮮蝦鶏肉雲呑、と週末だけのメニューまで用意。地の利に驕らず立派なもの。帰宅途中にタクシーの車窓より旧暦八月十四日の、明日が中秋、の月を愛でる。タクシー降りて暫し月に見惚れる。

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