富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-08-31

八月卅一日(木)いぜんからきちんと記録に残そうと思っていた戦前の日本人学校の跡地について。まず1907年に始まったといわれる本願寺学校は湾仔道170號、現在は英皇集団中心ビルの裏側でJohnston Rd側の番地に飲み込まれてしまい、湾仔道170號の番地ぢたい存在せず。この本願寺の数十メートル先にかつて葬儀場(現在は北角にある香港葬儀館)があったのも興味深き事実。1916年から1919年にかけて日本人学校銅鑼湾の 1 Sharp St East(利舞台の向かい、現在、Leighton Centreのビルの一角、家具屋G.O.D.のあるあたり、続いて旧総督府(現在は行政長官「自称政治家」Sir Donald住う)行政長官官邸隣という一等地の 1 Upper Albert Rdに現存の瀟洒なる洋館(現在は聖ポール教会のゲストハウス)、続いて 28 Ice House St.は現在の順豪ビルで香港初のガス灯がともり現在も風情ある一角と毎年移り、1919年に 7 Kennedy Rdの現在、聖ジョセフ中学のある場所に落ち着き1930年にKennedy Rd向かいの土地に自前の校舎建設を待つことになる。それにしても当時は場末の銅鑼湾の 1 Sharp St Eastを除けば市街の一等地ばかり。当時の日本の財力、英国との蜜月関係が思い浮かぶもの。ちなみに銅鑼湾の 1 Sharp St Eastだけは場所断定できず。これは史料にカナ書きで「シマープスリフード東1号」とあるが該当の場所がなく余が「シャープストリート東1号」の書き間違えであろう、と考えたこと(おそらく間違いあるまいが)。晩にミントの葉をいれてドライマティーニ。金目鯛の粕漬け、冷奴。菊正宗。晩遅く中井英夫『虚無への供物』読む。推理小説読み慣れておらず而も登場人物など多く読み進まず。
▼小泉三世メールマガジン
今日で8月も終わり。学校では明日から新学期のところが多いのではないでしょうか。「よく学び、よく遊べ。」元気に勉学に励んでほしいと思います。小泉内閣もあと1月。任期いっぱい、最後まで、内閣総理大臣の職責を果たすべく全力を尽くします。
と気分ルンルン。「外交から何も学ばず、外遊はよく遊んだ」のが小泉三世。それに国民の支持がまだ五割というのだから亀井静香的に悲観するばかり。東京都知事石原慎太郎は、昨日のオリンピック国内立候補都市選出の場で「金持ちの、金持ちによる、金持ちのためのオリンピックで、世界に勝てますか?」と東京開催否定し福岡推挙の応援スピーチせし東京大学姜尚中教授に対して「さっき、どこかの外国の学者さんが東京は理念がないとおっしゃっていた。何のゆえんだかわかりませんが」と発言し東京開催決定後の祝賀会でも「怪しげな外国人が出てきてね。生意気だ、あいつは」と発言(朝日)。こんなのが東京都知事であると思うと情けなく涙出るほど。在日韓国人に対してのこの暴言。石原慎太郎自身のバカさ加減はいいとして、都知事選で石原に投票した三百万人ばかりか都知事に据える全ての東京都民の良識が問われるところ。紐育、倫敦、巴里……どこであれあの発言の一言で市長更迭が常識じゃなかろうか。その発言もひどいが朝日ですら社会面のベタ記事扱い。NHKのNW9も相変わらず長崎の女子学生殺害事件の犯人は?など時間費やし都知事暴言など扱いもせず屑番組としての面目躍如。石原慎太郎であるとか小泉三世など個々人の資質の有無よか、深刻なのは我々日本国民自身の思考力のなさ、民度の低さかと涕泣するばかり。
▼中国では香港市民でシンガポール海峡時報紙北京特派員の程翔氏が中国国内での取材活動について諜報罪で逮捕され懲役5年の有罪判決。
▼陶傑氏蘋果日報の随筆にて「香煙的巴黎」とフランスでの公共場所での禁煙について述べる。巴里にとって紫煙は都市の風景、文化の一部でありカリフォルニアでSmokerが迷惑がられるのとパリジャンのFumeurは違う文化的世界であろう、と。御意。不思議と巴里で煙草の煙が気にならず。ジタンやゴロワーズといった黒煙草の癖のある匂いなのに。フランスのあのレストランの特有の狭さで隣席の客が莨蒸すのがなぜ気にならぬのか不思議。

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