富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-07-20

七月廿日(木)晴。早晩に銅鑼湾の紅十字にて献血。三ヶ月毎の献血で鬱血の如き肩痛失せる爽快感。献血センターの冷凍庫の如き寒さ。「冷房は23〜24度」と掲示あり、香港政府の指導する25度よか低いが、実際の設定は16度。献血中あまりの寒さにブランケット借用。モニタから流れるテレビニュースの大音響、職員の大声での会話、とても心やすめて献血に能わず。思い出すは広尾の日赤医療センター献血施設の快適さ。広尾の高台にある施設の窓から献血しながらぼんやりと眺める麻布方面の景色。左は渋谷から新宿にかけての遠景。閑静さに抜血されながらうすらうすらと気も朧げに。終わって東京女学館と日本ユダヤ教団の間の坂道を自転車で下り羽澤ガーデンの蚊の多いお庭で麦酒をぐいっと一飲の快楽。Z嬢とも思い出深きその羽澤ガーデンも昨年末に閉園。喧騒の中での献血終え更に喧騒甚だしき銅鑼湾の繁華街から夕闇のなかヰ"クトリア公園に抜ける。かつて夜な夜なに妖しき公園もすっかり整備され健全。公園というのは暗き場所より夜鷹ふらふら現われ客を引き男色家が同趣の衆を漁り、乱歩先生徘徊し寺山修司が逢引のアベックをば覗き見る、そういう隠微さがないといけない。小猫多し(じつは同刻、この公園の何処かでZ嬢仔猫と遊んでいたそうな)。公園を抜けて天后の関西料理「利休」に食す。福井で大雨に遭い香港経由でバンコクに戻るY氏、それと先日リパルスベイの絵葉書写真くれたO君。うどんすき。美味。芋焼酎。車傭い銅鑼湾。バーY。ジントニック二杯。午後11時には帰宅の真面目。Y氏に黄色い腕輪いただく。プミポン国王の在位60周年祝い100バーツで購入の腕輪。売上げは国王の如意で福利事業に用いられるとか。
▼飛行機に詳しいY氏の話では成田空港で年内にキャセイパシフィック航空(CX)やAA、BAなどOne World系のキャリアが第2ターミナルに移り日本航空と連結。現在の第1ターミナルの老朽化したCXのラウンジなど移転で設備向上に期待だし第2ターミナルの書店は改造社なのが有難い。バンコクも新空港が年内には稼働。チェックインカウンター数は世界最大規模。運用可能な年間旅客数は細かい数字忘れたが成田空港の旅客数をずいぶんと上回る。タイ目指す観光客に加え、飛行機乗り継ぎでも空港施設快適であればバンコクを選ぶか成田を選ぶか。トランジットラウンジにパッポン街とタニヤ街新設!は冗談にせよ、ストップオーバーするなら確実にバンコクが選ばれるは確実。ところで、やはりバンコク空港には仏像が安置されているそうな。
▼保守政界の良心、山崎拓さん筑紫哲哉のニュース23に出演での発言。大意下記の如し。築地のH君(久しぶりに登場)より報らされる。
「私はタカ派とよばれてきたが、国防に力を入れるというのは、国民の平和と安全を守るため。自民党の若い連中が勇ましい言論をもてあそぶような風潮があるのは、かつて日本がおかした過ちをくりかえすのではないかという危うさを禁じえない」「国民はどうしても勇ましい方へと引っ張られる。これはやむをえない。だからこそ、政治家がしっかりしなくてはいけない」「極論すれば、国民はそのレベルに応じた指導者しか持つことはできない。みてくれがいいとか勇ましいことを言うとか、そういう理由でリーダーを選ぶ国民が多数であるとすれば、残念ながらその程度の指導者をもつことになるだろう」
と論末の有権者批判の凄さ。亀井静香君の国民がバカ発言に勝るとも劣らず。この発言を15次以内で要約せよ、ならよーするに「安倍晋三を選んだら国民がアホ」ということ。アホで悪かったな、俺たちは阿倍さんと国力ある立派な日本を作ってみせる、と開き直られるともっと怖い。

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