富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月廿八日(水)一昨日までの快晴が一転してひどい雷雨。中国語の造語力には、網(ネット)、上網(アップロード)など関心するばかりだが目からウロコはいま流行りのブログ、がなんと「部落」。たしかにログ的に部分、部分を網上に落としていくのだから確かに「部落」。ブログと部落、発音がほぼ同じになる点では古くは可口可楽(Coca-cola)、そして愛滋病(AIDS)に勝るとも劣らず。漢字の表意機能の凄いところだが、ちなみに東京での美容整形外科医の娘誘拐事件も香港の新聞に見出しだと「日豐胸大師女兒被虜13小時」とあり。漢語の情報伝達力の見事さ。この見出し一見しただけで事件の経緯何も知らぬ読者も「ああ、日本でオッパイ大きくする美容整形の医者の娘が誘拐されて13時間後に救出されたのか」と理解に能う。漢字の魅惑。今天是六月廿八日、我是陳方安生。今天的話題是香港言論自由與及傳媒的角色。
と午後、香港電台から陳太の「講話」流れる始める。大家姐(ビッグシスター)の市民への教書は、或る面では共産党プロパガンダジョージ=オーウェルビッグブラザーの如し。
言論自由和資訊自由是社會與時並進,穩健發展的先決條件。基本法保障港人回歸後能?繼續享有這些自由。今時今日香港仍然有日報高達五十種,期刊七百五十種。?外,約一百家國際傳媒機構在香港設有總部或?事處。由此可見,回歸九年後,香社會保持開放,兼容並蓄,港人對形形色色的消息,需求殷切。社會資訊發達,港人事事關心,意見紛紛,情況令人感到欣喜。
言論自由與資訊自由是基本知情權的核心。在廿一世紀,知識將會主宰我們的未年。有了知識,我們就能得到最全面的保障。香港早已是全球資訊社會的一?子。若沒開放無阻的通訊,或者不能全面掌握國際上流通的資訊,香港將難望保持今日在全球經濟的地位。
傳媒有分析、評論,報導等權利,還須擔當一個非常重要的監察角色,不論是各監察各政府部門還是私人機構。
談到香港傳媒的近期運作,首先今時今日,?報已經成為一門大生意,自然要顧及商業利益。但是傳媒不要忘記,他們的首要任務始終是如實傳播消息,不單要公正持平,而且要開放透明。自我審?、報導偏頗、蓄意歪曲事實、甘為宣傳工具等,實在不是負責任的?報方式。
本地報刊、電子媒體近期的表現,引起市民的關注和不安。我舉兩個例子,巴士阿叔受到傳媒過?誇張的報導,甚至有製造新聞之嫌,與及某電子媒體要求聽?顯示他們最想非禮的女藝人就是好例子。這些表現實在違傳媒應有的專業和操守標準。業?人士實有需要自我檢討。
在日益劇烈的競爭下,特別來自網絡世界和網上出版的競爭,只有講求操守、翔實可靠、向公?負責的媒體,才能?經得起考驗,不致遭受淘汰。
基本法規定下,我們不單有權享有言論和資訊自由,而且有義務維護這些自由不受侵害,才能確保我們的生活方式維持不變。
発言の内容は至極尤も。但しこの立場の人のこの発言がどれだけ北京をば刺激するか。毎日午後四時くらいに紐育時報の「今日のニュース」メールで届く。折しも“Patriotism and the Press”という社説は基本的には陳太の発言と趣きは同じ。ただし新聞の社説であるから正論であるが香港で渦中の人の発言であるから波風が立つ。この重苦しさ。「陳四萬」と称される陳太の笑みが素直に香港の明るい未来に繋がらぬ鬱とした雰囲気。早晩にジムに鍛練のはずが意志が弱くQuarry BayはTaikoo PlaceのEast Endにエール二杯。帰宅して夕食前にサントリー山崎をロックで一杯。烏賊と大根の煮物など魚に菊正宗一合。黒豆のご飯。新聞何紙か読む。蘋果日報には社主・Jimmy黎智英氏が「七一請出来」という文章を掲載。苦渋の選択で「七一デモには参加すべき」の結論に至る思考を綴れば
曽蔭権(Sir Donald)が董建華に比べ行政手腕に長じることは明らか。英国統治時代からの香港の公務員の優良なる伝統に培養された精英。だが重要なことはこの人が幸運であること。董建華の劣政に蹂躙された七年の後に登場すればよっぽどの無能者でなければ董建華に比べ相対的に評価されて当然。経済の回復もあり市民の曽蔭権に対するそれ相応の支持があるのは当然。だが彼に期待されたのは改革創新。医療や教育問題でどれだけの進展があったか。また民主派との疎通も図れることで北京中央と香港民主派の融通も彼に期待されたが、結局は就任直後に立法會議員引き連れ珠江デルタ参観しただけで一向に進展せず。気さくな特首(特別行政区首長=行政長官)標榜してみせるが市民が彼に期待したことはさに非ず。北京中央に対しては途端に幇間の如き態見せるのが彼の弱いところで中央の信任あるのなら、それと行政手腕活かし香港市民の求める基本法に謳われる香港の高度な自治のために努力すべき。中国とて国際社会の中においていつまでも強権的な非民主社会ではおれず内政でも幾許かの改革進めており曽蔭権は恐れるばかりでなく果敢に挑むことも必要。そう考えいえば、七月朔日には市民の意志として民主化実現のために街頭に出るべき
……と黎智英は述べる。ところで七月朔日はこの七一民主化要求デモに抗して政府系の祝賀パレードもあり中国銀行では行員に対してこの祝賀に参加の場合HK$100の支給ありの由。陶傑氏は今日の蘋果の同頁に「看這身三更夜半的大紅袍」なる一文を寄せる。陶傑氏らしい怨念話。北京中央にしてみれば香港の最大の利益考慮し最大限の譲歩にて香港の民生に寄与するものが元政府高官の恩に仇で報うが如き民主派との連係。香港基本法には引退した女高官が特首参選に加わったら刑事罰という項目こそないが、陳太がかりに参選せば「千祈別好得罪女人」、女の執念深さ、で北京中央の高官ばかりか香港の八百人の選挙人の枕元にも夜な夜な鬼か妖怪の如く「還我普選命来」(普通選挙を実施しておくれよぉ〜)と呪いの言葉の如く叫び続け選挙人は正気逸すか、と。中国の農村には鬼婆の如き姑が嫁をいびり続け苦難に耐えかねた嫁が自らの命をば断つ時に紅色の袍(衣服)身につけ首吊れば死後に鬼になって復讐に現われるという言い伝えあり。一九九七年の六月末日の深夜から七月朔日の未明にかけ(これが三更夜半の刻)香港主権の移交式典、向って右に英国、左に中国のステージ中央に深紅のスーツ着た陳太が座していたことを奇怪に思う、思わない?と陶傑氏。猛暑の夜にうっすらと背筋寒くなる話。テレビのニュースでは今晩の政協・賈慶林主席歓迎宴の中継流れる。それでなくてもスピーチ下手のSir Donaldの、而も普通話はいけない。下手な上に感情の抑揚に欠け聴くに絶えず。賈慶林が講談師の如く滑らかにスピーチするから遜色かなり目立つ。新潮社『考える人』2003年秋号「京都特集」読む。小谷野敦の「大衆社会を裏返す」などかなり読むに値する文章盛り沢山。
▼カナダ訪問中、ナイアガラ瀑布では「ビューティフル!」連発して「きれいだね。壁がグリーンだと思ったら、流れがグリーンだね」と(長嶋茂雄さんに比べたらまだまだだが)感激の小泉三世、靖国神社参拝について「何回行こうが問題にはならない。個人の自由ではないか」と述べ9月までの首相在任中の参拝示唆し、靖国問題が9月の自民党総裁選の「争点になるとは思わない。争点にしたい人たちもいるが、争点にしてどうなるのか。突き詰めれば『中国の言い分に従いなさい』というのが(首相の)靖国参拝はいけないと言う人たちだ」と強調(読売)。今さらこの男に何を言っても無駄か。

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