富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-06-26

六月廿六日(月)ギラギラと夜明け。昨晩のW杯蹴球は久々に賭けたが英国のエクアドルの勝ちはまず間違いないとしてポルトガルの好調の勢いにオランダ戦での勝ちと賭ければ1:0までぴたりと的中。日本の参敗で愛国心からかなり賭け的に応援した分の借金を回収。忙殺されたまま遅晩に至る。晩飯を金鐘は太古広場のフードコートに食す。韓国料理の石焼き丼みたいのでHK$45とは、さすが金鐘値段と驚く。晩遅く帰宅してW杯蹴球の伊太利対豪州戦眺めながらニッカ「鶴」をロックで二杯。前半終わり睡魔に襲われ臥床。
▼新界天水圍の新興団地にて路上にて漢方の薬草売る小販の男性が政府の食物環境衛生署の路上販売取締りに遭遇し逃げようとして水路に飛び込み溺死。たかだか軽犯罪で逃げて命落としたが衛生署の取締り係らが水路にて溺れる男性を眺めるだけで救命もせず、で地も涙もない、と非難の的。衛生署の係官にしてみれば路上の小販の取締りとはいえ凶暴な相手もいればヤクザ絡みもあり危険といえば危険な職務遂行。そのうえに勝手に逃げた小販が路上に跳び出して自動車に轢かれ水路に飛び込み溺死で、いちいち責任取らされ、そういった事故への配慮などしようものなら迂闊に取締りもできず。いずれにせよ「獅子山之下」でみんな貧しくも楽しく暮した日々は遠い昔のこと。
▼「香港の良識」と称される元政務司司長(Chief Secretary)Anson陳方安生女史一昨日の七一遊行(香港特区成立記念日の毎年恒例の民主化要求デモ)参加表明に続き昨日には民主党など立法会民主派諸派の議員らと並び記者会見し香港政府に対して民意酌取、普通選挙実施など求める声明発す。蘋果日報は「参選特首陳太快有決定」と陳夫人行政長官選挙に參選の決定も近しと急ぐ。SCMP紙は社説で今回の陳女史の行動は彼女の良心と信念に基づく個人的な政治姿勢の表明であり行政長官選挙が現行の間接型選挙制度である限り北京中央欽定の自称政治家Sir Donald相手に勝ち目なき選挙に打て出る可能性低い、と述べる。信報も社説にてSir Donaldの行政長官就任以来行政運営は軌道上にあり評価高く(実際には董建華治下政府施政章法大乱をば反正しているにすぎぬのだが、と手厳しい)経済回復や失業率下降などSir Donaldには好条件揃っており寧ろ民主派が具体的なる政府攻撃の論点見失い諸派乱立で勢力萎縮にあり陳女史の民主派への肩入れは民主派にとって精神的領袖の誕生になろうが実際には政治理念的には陳女史と(もともと部下である)Sir Donaldのそれに何ら大きな違いもなく現時点では行政長官目指すことも無理あり、と分析。まぁ妥当なところ。唯一のウルトラCは北京中央が香港の民主化要求世論と普通選挙実施の要求に対して陳女史の取り込みで逃げ切るか、だろうが建華之乱も終わりSir Donaldで無難な日々続くなかでは、そこまでの政治的アクロバットは求められず。まぁ勝手にどうぞ、程度の認識か。それにしても北京中央にしてみれば香港政府の公務員のトップという要職にあった者が民主派、つまり中共的には反政府的国家転覆思想集団(笑)に組み入る、など理解できぬこと。だから英国統治時代の官僚は信用できぬ、となるとSir Donaldも今は徴用しているがカソリックのカルト的信者ぶりなども北京中央にすれば怪しく映るところ。やはりどうも香港の英国植民地政庁残留孤児らの発想と行動はわからぬ。そもそも西欧の政治的信念がわからぬ。やはり民主化などするべきに非ず、で中央の指導こそ香港にとって有益、と判断されるばかり。
▼香港で潮州系の飯屋に「打冷」と銘されており、それが何かよくわからずに過していたが唯霊氏が先週書いていた随筆によれば、もともとは「ちょっとした飯屋で食事を済ます」「食いに行く」で「打店」という口語あり、「冷」が潮州人を指すので「打店」転じて「打冷」が潮州打冷になった、と言う。但し「打冷」がもともと「打人」という説もあり(http://zh.wikipedia.org/wiki/潮州菜)。

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