富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-06-13

六月十三日(火)深夜のW杯はCzechが宿敵米国に勝ち伊太利も順調にて少し回収。朝日の朝刊は日本の負け一面トップで伝えるが「中村の先制点」「失意4年、不動の10番」「俊輔、欧州で成長」と演歌的に見出し並びスポーツ面にも「俊輔みせた幻惑クロス」、専門家の「中村の先制点、良い展開」だのトルシェ氏の「80分まではいい試合運び」だのコメント並び、社会面には「夢信じ続けつかんだ舞台、逆境越え気迫の高原」と賛辞賛辞。だがSCMP紙の伝えるジーコ監督のコメントは辛辣の極み。We did not do anything after taking the lead. We had two clear goal scoring chances on the counterattack but if you do not put the ball in at one end you sometimes concede it at the other. とジーコ監督。日本での報道ではネットで見たかぎり毎日新聞のこれくらい。ニュアンスが違う。小泉三世は「気持ち、切り替えてね、次の試合頑張ればいいと思います。切り替えが大事です。期待できます」と述べるは郵政民営化での復活での経験論か。諸事忙殺され晩に至り天后の関西料理「利休」にT夫妻とZ嬢と食す。食後お口直しにと供されしお新香の如きパパイヤの黒醋漬けも美味。連日のW杯蹴球に毎四年の事ながらW杯中継せぬどの飲食店も閑古鳥と。午後九時よりヴィクトリア公園にて韓国団体主催にて韓国対トーゴの蹴球試合応援観戦あり。利休のご主人曰く「韓国応援宜しく頼みますわ。韓国のお客さんもたくさん贔屓にしてくれますさかい」と。W杯の観戦に麦酒購入と立ち寄りたる天后電気道&永興街角の酒屋、その酒煙草缶瓶の品揃え並びにディスプレイの見事さ惚れ惚れ。ヴィクトリア公園の芝生ピッチの広場には韓国三星電子Samsung)とLGの提供にて7m x 10mの巨大テレビ屏幕と特設ステージあり I ❼ Hong Kong, Korea と書かれし紅色のTシャツ姿の応援者幾千人も集ふ壮観ぶり(翌日の報道によれば六千人の観衆あり)。スナック菓子や麦酒(韓国Cass麦酒)などの屋台もあり。アジアから日本と韓国このW杯に参戦乍ら昨日の日本など在港の邦人こそこそと観戦に比べ韓国の、この人々と企業の熱意、而も韓国人のみの盛り上がりに非ず香港の友人らも一緒に応援してください、の姿勢にただただ敬服。一点先取され同点に追いつき勝ち越しと見事なる韓国の勝利。応援もかなり沸き立つ。が勝利せばいつまでも勝利の余韻に大騒ぎなどせず主催者の「みなさん応援ありがとう」の一言と屏幕に「勝利、大韓民国」とハングルで(この程度なら余も読める)の大写しで場はあっさりと散会。途端に主催者側のボランティアと観衆が自主的に現場のゴミだの雨に泥土の芝に段ボール紙の敷物など回収され数分後には残骸微塵もなし。甚だ見事。
▼語るも無残なるは香港鼠楽園の惨状なり。九月までに年間入場者目標五百六十万人に幾らかでも近づこうと苦策続け五千名の職工に対し一人あたり六枚の無料入場券配り毎月三名の知人友人ら同伴も可。開園以前には地元客だろうと鐚一文負けぬと豪語し入場券販売させる代理店すら厳選の鼠楽園が今ぢゃ無料券配っての入場者獲得とは惨状に語る言葉もなし。

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