富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-06-11

六月十一日(日)昨晩遅くのW杯Trinidad対瑞典戦は0対0の引き分けでかなりの攻防戦でいい試合。Trinidadがここまで健闘するとは思わず安易に瑞典と信じていたのが甘かった。今朝は薄曇りで久々に陽がさす。だが天気予報は雨で昼すぎまでジムで筋力運動と有酸素運動を各一時間。週末ずっとジムばかり。旺角。Nelson街の榮園麺家で雲呑麺食す。かつてはいくらでもあった路地使った麺屋だが営業許可の延長認められておらず。冷房もない店で食麺は汗だくだが客が切れない繁盛はこの店の麺の美味さ。香港ではスープは上湯が当たり前で塩味がかなり抑えられているが榮園のスープは珍しく塩味がきつい。だが塩辛くもなく塩の風味。滋養強壮で野葛菜水も一杯。路地裏といえば床屋も。旺角に来ればいつも寄るアウトドア屋、本屋、カメラ屋など巡る。旺角の人出の多さ、喧騒はかなりだが先日読んだ何処かの調査で香港人は目的なく商店街ぶらぶらとする外出(山口文憲氏が書いている「出街」がこれ)がアジアでもとくに時間が長い、と。熱帯や亜熱帯では暑いからなるべく外出を避けるものなのだが。一旦帰宅。帰宅途中に大雨。天気予報が正解。早晩にZ嬢と中環。天主教のカテドラルで夕方のミサ。信者も名士多いと聞くが、ここまで自動車で無理して来るかね、の教会前は自動車展示場状態。FCCで晩飯。ハイボール二杯。W杯が晩遅くだから空いているだろう、と思ったら大間違いで英国対豪州のラグビー試合の中継ありかなりの盛り上がり。李嘉玲のピアノコンサートに行くZ嬢と別れて銅鑼湾のバーYに薮用あり寄る。National Geographic誌6月号で“Why the world loves SOCCER”という特集あり。読んでみたが、なぜ人々がサッカーに夢中になるのか?の結論なんて解明されている筈もなし。ボールを蹴る、というそれだけは簡単だが(陶傑氏がサッカーも三千年前に中国で「発明」され水滸伝にも蹴毬の記述あり、と中国が誇ることを嗤っていたが)ゲームとしての得点の難しさ、はらはらドキドキが他の球技よか面白いのだろうか。銅鑼湾は午後の8時半だと言うのに「出街」の人出少ない。映画館の前も閑散。茶餐庁の前だけは店内でのW杯中継覗き見の輩が溢れる。帰宅してW杯のセルビア和蘭戦見る。西欧勢が強いのは当たり前なのでセルビア応援したが負け。ドイツの初戦からの配当がこの一戦で消えてしまった……。やはり賭事は難儀なり。
▼五月も廿日だかの話で旧聞に属すが中国の長江(揚子江)に完成の三峡ダム。国家的大事業のはずが完成式典に胡錦涛主席、温家宝首相ら国家首脳が出席せず式典も僅か八分で終わり「なにか拙いことでもあるのか?」と訝られる。ダムの鉄鋼やコンクリートの質、耐久年数など。また水質汚染もひどく周囲の住民はこのダムの水は飲めず。ダムが崩壊した場合(核戦争でダムが破壊された場合も含む)武漢から下流の上海まで深刻な水害の災いもあり。
▼新聞の切り抜きの中から四月廿一日の信報社説「中国人口老化、高増長非壊事」が現われる。中国の今年第1四半期のGDP増長率が10.2%で国家予測の7.5%を大きく上回ったことで過度の経済成長は深刻な後遺症齎すという懸念もあるが現在の経済成長の速度落とせぬのは「高齢化」の問題、と。中国の高齢化は深刻で(七十年代の一人っ子政策の影響も大)2050年には65歳以上の人口が70%に達し労働人口100人で70人の老人を養う。中国の外貨準備高が8751億米ドルで過度という指摘もあるが、中国政府が外貨獲得に躍起になっているのではなく、中国の生産資本が小さいため輸出体質の貿易で外貨が不断に流入し結果、外貨が貯まる構造にある。15〜20年後にようやく中国の貯蓄率が下落し始め消費志向となるが、その頃の中国経済の競争力が今ほど高水準になく、必然的に外貨準備高も下がるわけで、そのような状況が予想されるのだから中国政府が外貨も含め十分に備蓄に励み早急に老齢化社会での年金制度の整備など必要。
▼今回の天皇皇后両陛下の新嘉坡、マレイ、泰国訪問。泰国のプミポン国王の在位六十年記念。プミポン国王といえば兄君(ラーマ8世)の突然の死去(王宮で眉間に銃弾当って、で拳銃の暴発とされている)で米国マサチューセッツ州生まれでスイスに遊学しローザンヌ大学に入学したばかりの弟君(プミポン国王)が19歳で即位。このラーマ8世の死去に陸軍の参謀将校である辻政信http://ja.wikipedia.org/wiki/辻政信)が絡んでいる、という話。T君に教えられ、辻政信でふと思ったのだが、陛下が新嘉坡でお言葉述べた、日本軍による新嘉坡占領での華人虐殺もこの人が主犯格だと言われており、今回の天皇陛下の南アジア訪問、すべて辻政信が絡むが如し。

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