富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月五日(月)昨日、ランニングクラブの面々を前にとんだ発言ミスあり。村上ファンドがらみでの阪急の阪神合併につき「阪神と阪急が日本シリーズで対戦したら関係者はいったいどっちを応援すればいいねん?」と。場が一瞬にして凍る。すでに阪急ブレーブスは存在せす阪急と近鉄?が一緒になり今はオリックスなのだ、と教えられる。1チーム空いたところに楽天が生まれた、と。成程。無知を嗤われ恥ずかしい思いで咄嗟に「であるからして余の言いたき事は、つまり、資金運用に村上ファンド利用する企業の社会的良識疑うような声が財界でもあがっており、これは暗にオリックスなど非難されたもの、であるから、阪神オリックス日本シリーズで対戦した場合は村上ファンドに因縁あり、ということで……」と釈明にもならず。本日、未明に左奥歯の更に奥のあたりに痛みあり何度も目覚める。早晩まで鎮痛剤服しても痛みとれず。が晩いつのまにか痛み失せる。原因不明。ただ一つ気になるのは昨晩、かなり悪夢に魘され(B級ホラーの如き事件に巻き込まれる恐怖)大量の発汗で目覚めたが、しばらくの間、奥歯をかなり噛みしめていたようで神経か顎のジョイントになにか作用したの鴨。本日、諸事忙殺され夕飯も安い菓子パンで済ませ遅晩に至る。帰宅するなり自称ホームバーでウオツカをショットで二杯立ち飲み。シャワー浴びてバランタイン(17年)ちびちびと飲みながら新潮社『考える人』のバックナンバー「京都特集」読む。
▼信報の社説「平反、改革、民主」秀逸。天安門事件もいつかは「平反」評価回復されようが、これまでの中共の政治史見れば反右派闘争、文革と76年(第一次)天安門事件での平反が78年前後であったと思えば反右派闘争から21年目。天安門事件も果たして21年要するか。だが北京中央も趙紫陽元総書記の追悼会開催も事実上黙認しており、地方政府も天安門事件での死亡者家族に賠償金支払い、少しずつでも動きはあり。この社説がその天安門事件の評価について嘆くは、我らが行政長官「自称政治家」Sir Donald君の弱腰。中国の民主運動支援する支聯會主席の司徒華氏がSir Donaldも89年の天安門事件での民主化運動支持した「民主歌聲中華」のイベント(ハッピーバレー競馬場で開催され20万人だか参観)にSir Donaldが息子連れて参加していた、と証言。それに対してSir Donaldは息子連れてジョッキークラブのクラブハウスで食事に行ったところ司徒華氏にばったり遭遇、と弁明。信報社説嘆くは、当時、中共の老党員から香港大公報、文匯報といった左派新聞まで中国の民主運動支持と活動家の死亡哀悼をば表明しており、香港政庁高官のSir Donaldが当時の追悼集会に出席したことがなんの不思議があろうか、と。その事実の否定よか、寧ろ「一国二制度の下、香港市民は言論の自由があることは、当時から17年、何も変わっていない」と正々堂々と主張すべき、と。御意。ちなみにこの「民主歌聲中華」には親中タカ派の梁振英(行政会メンバー)、全人代常委の曽憲梓も参加とか。それに、この日はハッピーバレー競馬場の施設は全てがこの「民主歌聲中華」(アニタ=ムイやジャッキー=チェンも出演しHK$1,300万のカンパ集める)貸し切りでジョッキークラブのメンバーが呑気に食事に行くような状況に非ず。ジョッキークラブなら同じハッピーバレー山光道に豪華なクラブハウスもあるが、これは89年当時はまだ完成しておらず。
▼昨日の安田記念須田鷹雄氏も、いただいたメールによればアサクサデンエンの二着は予想しておらず、アサクサが三着ならブリッシュラック、ジョイフルウィナー二着で三連単も的中であった、という。須田氏の指摘通りジョイフルウィナーはオッズ的には千載一遇のチャンスであった。それにしても18頭中11頭が昨年の参戦馬。昨年サイレントウィットネスブリッシュラックで3、4着を押えたTony Cruz調教師にしてみれば昨年優勝のアサクサの不調踏まえれば(昨年2着はスイープトウショウで出ておらず)の今年の面子なら「勝ち狙い」であったであろう。今朝のSCMP紙で安田記念の競馬評記事に、ブリッシュラックがAsia Mile Challenge4戦のうち唯一3戦に出場で、その第3戦(香港Champion Mile)と第4戦(安田記念)連覇も素晴らしいがアジア各地(といっても実際にはメルボルン、ドバイ、香港、東京とオセアニアから中近東、東アジアまで)連戦することの意義、それをまず讚えるべき、と。確かに。アサクサデンエンハットトリックはドバイでの不調で香港取消しで安田記念に標準合わせ、であった。ところで、この記事にOreha Matteruzeという馬名ありマッテルージ?なんて馬がいたか?と一瞬悩んだが「俺は待ってるぜ」の一番人気馬オレハマッテルゼ(10着)であった。
▼台湾の阿扁総統、贈収賄で妻がらみに娘婿インサイダー取引に、と醜聞続き総統退任求める世論も高まり。国民党は次期総統確実視される馬英九主席(台北市長)のもとで過激な反扁運動起こさず、の余裕。阿扁総統、赤貧農家の出身で苦学し台北大学の法科卒業し弁護士となり台湾民主運動に加担し妻はその白色テロで下半身不随、その苦境続きの阿扁が台北市長となり、二期目狙った98年の市長選で馬英九に敗れたものの2年の浪人生活経て2000年に総統選挙に出馬すれば、前任の影響力大なる李登輝君の実質的支持、国民党の総統選候補・連戦君の不人気、それに当時の中共の朱鎔基君に珍しい感情的な武力威嚇論まで追い風となり阿扁総統当選。……と、この半生で語れば実に天晴れ、であるが、なぜそれほどの人にあって身内だの側近に贈収賄だの株のインサイダー取引とは脇の甘さ、呆れるばかり。結果論だが、台北市長選で敗れた者が一国の(と言ってはいけないが)元首選挙で復活、これが実は「3位決定戦」であったこと。で2004年の総統選は馬英九は「まだ若い」ということで「次の次」扱い、「疑惑の銃弾」の結果、阿扁総統が再任される。……とこうして見れば次期総統には満を持して馬英九君の当選。阿扁の弱さは本来、経済対策や民生できちんとした政策立案の上、それを具体化すべきところ、2000年の選挙が上述のような追い風で具体的政策論争もないまま当選してしまい、台湾独立という信念以外だけ。04年以降は外交政策での無策ぶり。お話にならず。醜聞続きで阿扁君、総統職として憲政上の権限のみ自らに残し、政策決定や民進党の党運営などの決定権は首相に委譲。これでどうにか08年の任期満了までの存命図る。

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