富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-05-09

五月九日(火)快晴続き。昏刻に西の空眺むれば日暮れに夕焼けどころかいつまでも西の空ただただ蒼し。見惚れる。晩飯の後ぼんやりとニュース見れば、組織犯罪処罰法改正での「共謀罪」新設につき衆院法務委で審議大詰め。衆院法委の委員長が石原伸晃君で、思わず都知事閣下との父子による政治活動は共謀に当らぬのか……などと苦笑するが、シンガポールならこんなことに言及するだけで将軍様父子から名誉棄損で訴えられ莫大な慰謝料請求され破産し服役か。シンガポールでは将軍様父子の公的基金絡みの醜聞に言及に対して発言者ばかりか、それを活字化した印刷業者まで慰謝料請求され破産だそうな。共謀罪といえばNHKのNW9では「あの」櫻井よしこ女史が共謀罪新設に懸念表明。櫻井女史が香港では銅鑼湾の某炉端焼きの女将にだんだん似てきた、と思っているのは我だけか。NW9といえば朝青龍の休場、番組トップで5分。そしてワールドカップ開幕まであと一ヶ月、と特集。報道番組どころかスポーツ情報番組。さんざんスポーツ関連の話題続けたあとに「では、続いてスポーツです」に大いに嗤う。ワールドカップといえば「あの興奮」から早四年か。ふだん全くスポーツ中継見ぬ我も四年前は不図、開幕前に英国のブックメーカーでブラジルにそこそこ賭け、ブラジルの勝ち続きに思わず準決勝あたりからか中継見る。四年前にすでに来月のワールドカップでは「伊太利」に賭け済み。どうなることか。あたしのような者ですら観戦なのだからワールドカップは大したものでNational Geographic誌6月号も特集は Why the world loves Soccer である。個人的にはなぜスポーツのなかでサッカーがこれほど世界中で人気なのかわからぬ。簡単な球技のようだが足だけ使い不便、なかなか点も入らず。ドッヂボールやヴァレイボールなどのほうがずっと簡単。それでも02年のワールドカップでは21億人だかが中継を見たそうで(あたしが観たくらいだから)。不思議。
Silent Witness馬の今後につき馬主Archie da Silva氏と調教師Tony Cruzの間で確執か。da Silva氏はサ馬をば今季じゅうぶんに休養させ来季に臨みたきところク調教師は六月の安田記念への参戦をば企図。調教師にしてみれば先日のChampions Mile二連覇のBullish Luck安田記念参戦でSilent Witnessと二頭立てで臨みたいところ。ところでJoyful WinnerはChampions MileにてArt Traderの干渉で不利になったがJohn Moore調教師は招待さえ得られれば、と安田記念への参戦に意欲。ただし調教師的には勝利を三度も逃したShane Dye騎手には大いに不満あり安田記念参戦ならばChristophe Soumillon騎手招聘と。楽しみ。
▼ICチップ入り日本国旅券。現物を目にする機会あり。問題のIC頁には
この旅券には電子部品(ICチップ)が内蔵されていますので、次の点に注意し、携帯用の電子製品と同様に大切に使用、保管してください。
とあり。「携帯用の電子製品と同様に大切に使用、保管」というくだりに呆笑。携帯の電子製品とは携帯電話、MP3の類いか。放っても壊れぬくらいなのが携帯の電子製品。単に「電子部品(ICチップ)が内蔵されていますので、慎重に使用、保管してください」くらいでよかろうものを、この「携帯用の電子製品と同様に」がいかに「現実離れした」人がこの旅券作成にあたったか、を物語るぢゃないか。
朝日新聞で、東大先端科学技術研究センター教授だが表情はぜんぜん古代的な御厨貴君(政治学)と同じく東大大学院総合文化研究科教授で髪形が総合文化している松原隆一郎君(社会経済学)が小泉長期政権について座談。松原君が、小泉政権について情報公開は進んだが経済財政諮問会議など「選挙のみそぎを受けていない人が方針を決め、それがほど修正されぬまま閣議にかかり予算編成の方針が決まってしまう」ような現状や郵政解散など取り上げ議会制民主主義との兼ね合い、意思決定メカニズムの検証が必要、と言及したのに対して、御厨君が「国鉄民営化などの行政改革をした中曽根元首相は戦後民主主義の申し子で、議会制の枠や政党の役割を非常に重視した」と指摘。それをなんの疑問もなく読み進んだが「はっ」と思えば中曽根大勲位が「議会制の枠や政党の役割を非常に重視した」点は認められても、まさか「戦後民主主義の申し子」と呼ばれようとは……。大勲位の治世なる当時なら、まさか「中曽根が戦後民主主義の申し子?、冗談ぢゃない」と否定したろうが、小泉三世のこの御世にあっては中曽根大勲位などまさに「議会制政党政治を重視の戦後民主主義の申し子たる名宰相」と呼びたくもなる。ナベツネさんも「その中曽根氏を支持して戦後日本の民主主義の発展に尽力したリベラル派大物ジャーナリスト」であろう。

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