富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-12-26

十二月廿六日(月)小雨。雨が降るに遭遇は何カ月ぶりだろう。ホテルで朝食の最中にZ嬢とどうせ此処まで来たのだからタイの象の保護センターと先月だか新聞で読んだFriends of The Asian Elephantが経営する象の病院を見学しようか、という話となる。旅先でほとんど観光せぬのに動物園だけはいつも必ず行く場所でチェンマイもパンダのいる動物園があるがチェンマイの場合、Mae Saという処にある民営のエレファントキャンプなのだろうが、そこはあまりに観光化しているだろうから、どうせなら、その国立の方の施設を見学しよう、となったのだが調べてみれば場所はチェンマイから南に7、80km離れたLampungという処で昨晩、列車で通ったが二時間近くかかった記憶あり。チェンマイ市街から、しかもホテルから歩いて10分くらいのバスターミナルから30分に1本でLampungまで2時間かけてのバスが出ているようで慌ててバスターミナル(といっても切符売りと売店のテントがあるだけだが)に向かい9時半のバスでLampungに向かう。幸いなことに、この象施設はバンコクチェンマイを結ぶ高速道路に接しておりLampungの市街より30分ほどの距離手前となる。チェンマイの南20kmくらいにある古都Lamphun(ややこしいが此処はランパーンプーンで、バスの目的地はランパーン)を経由したオンボロバスは90分余でタイ国立象保護センターに到着。高速道路に面した駐車場から園内の巡回バスで施設に向かい11時から始まった象のショーを見物。驚くほど芸達者。愛嬌あり。象使いの中には海外からの訓練生もあり。ショーにも加わっているのは日本人の女性3人。15年前は香港フリークでアラン=タムのファンだった、という感じの世代、鴨。せっかくだから、と園内のジャングルを散歩するElephant Ride、乗象?を30分の体験。園内は欧米人を中心に4、50人くらい参観者がいるだろうか。だが広大な敷地なのでとても静か。お昼に園内のビュッフェで象肉のカレー(嘘、本当は鶏肉)。昼すぎに象の水浴びを見てからNGOによる経営の園内にある象の病院へ。ミャンマーとの国境で地雷を踏んで片足を無くした象の介護募金で世界に有名になった施設。かなり衰弱した象二匹と後ろ足に膿が垂れるのも生々しい巨大な腫瘍できた象や爪の化膿した象など収容され治療を受けている。高速道路まで戻り高速道路を渡って(高速道路だが人が歩いていたり自転車が走っていたりする)チェンマイ行きのバスの通過を待つと丁度、バンコクからチェンマイに向かう長距離バスが通りかかり(バンコクチェンマイくらいの行き先ならタイ語も読めた)乗車。Babylon by Busというくらいファンキーな内装のオンボロ二階建バス。バンコクからは11時間くらいでチェンマイに向かうのだから列車よりは多少、早い。チェンマイまで一人50バーツ(150円)で70km走るのだからご機嫌。このバスはLamphunに立ち寄りなしなので1時間余でチェンマイ市街の東北、Arcadeと呼ばれる長距離バスターミナルに到着。小雨のなかトゥクトゥク(三輪バイク)で市街に戻りバックパッカー相手の安宿など多いRatchaphakhinai RdにあるPoohなるエコツアーの代理店にて明日の1日トレッキングの参加手配。自画自賛になるが初めて訪れた町でも方向感覚の良さと土地勘だけはかなり抜群、地図をしばらく眺めておれば大方は頭に入り実際に歩いても迷わなければ自動車に乗っていても頭の中の地図上を車が走ってゆくような感覚で「あとホテルまでどれくらい?」と言われると1.5kmくらいで二つ目の交差点を左にまがってすぐ、とか答えられる。Loi Kroh Rdを歩いてホテルに戻るが、噂には聞いていたが、途中、観光客相手の土産物屋やパブなどの多さに驚くばかり。どうしてチェンマイがこれほどの観光都市になったのか。古都ではあるが年間数百万人を招くほどの史跡があるでもなく気候もいいがタイの山岳地帯はけしてリゾートいうほど易しくもない。ラスタ系の店も少なからずゴールデントライアングルにももう近いのだなぁ、とあらためて思う。なぜかボブ=マーレイ関係のラスタ系のアウトドア屋(よくわからないコンセプトだが)で明日のトレッキングに行くのに小さめのリュック購入。ホテルに戻り日暮れまで一休み。観光客相手の夜市など小一時間冷やかしながら散歩。センスのおそろしくいい雑貨屋や飾り物屋多し。それにしてもどの店の店主も売り子も英語の堪能なこと。観光業であるから当然といえば当然だがアジアでこれくらい英語が通じれば旅行者も気軽だろう。店先で風船で遊んでいた小学生の男の子二人が客が入るなり風船をさっと隠して「この帽子の素材はシルクで150バーツですよ」と本当にシルク?のラスタ帽を見せる。ぐるりと回ってから旧市街にちょっと入ったところにあるRachamanka RdにあるThe Wokというタイ料理屋で晩飯。『地球の歩き方』にも紹介されているが旅行者相手のタイ料理教室開いたオーナーが開いたタイ料理屋。お世辞抜きに今まで食したタイ料理のなかで豪華なのはいくらでもあるが素材がここまで吟味され素材の味が活かされたタイ料理は始めて。明晩もう一度来てもいいくらい美味。客はほとんど欧州人。チェンマイで不思議なのは米国人をあまり見かけない。隣の卓ではチェンマイか何処か旅先で知りあいになった欧州人同士が英語を媒介語に「ちゃんちきおけさ」っぽく旅談義で食事している。散歩しながらホテルに戻る。テレビではどのチャンネルも繰り返して昨年のこの日のインド洋大津波の追悼。惨禍の映像を何度も何度も繰り返しの見せられるのはとても嫌い。

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