十二月十八日(日)午前三時すぎから湾仔でGloucester Rdに座り込みの韓国人団体の一部が警察に身柄拘束されるが警察は全体の排除には挑まず対峙のまま朝を迎える。朝日新聞の香港電にWTO会議の抗議運動で香港は「香港の代名詞のネオンも大半が光を落とした」そうな。「香港」でネオンに話題を持っていってしまっては容易すぎ。実際に昨晩(デモの沿線の店先のネオンは休業なら確かに暗かろうが)車窓から眺めた限りは香港名物の香港サイドの高層ビルのネオンは大半が灯っていた。週末は多少、全体的に暗くなるし深更には当然ネオンは半減するもの。快晴。睡眠不足。日刊ベリタの続報送り新聞読み家事済ませ昼前にヴィクトリア公園。湾仔での前線は韓国の友人に任せ此処では東南アジア各地からの女性が中心に和気あいあいと公園で日向ぼっこ集会。隣の敷地には早くも午後のデモに参加する韓国や日本からの抗議団体が集まり始めている。どう見ても維園阿伯のような老人が(維園阿伯は毎週日曜日のヴィクトリア公園での民主論壇で民主派に罵声浴びせる老人ら)韓国の農民らに親指を立てて祝福。銅鑼湾から湾仔を歩くとデモ行進に面した通りと警察が封鎖している会場周辺を除けば13日(火)に比べ営業する店多し。抗議活動の被害が商店に及ばないことへの確信。13日は休業決め込んでいた泉記も今日は営業。但し昼飯時だというのに開店休業状態。そりゃ誰も道路封鎖に近いこのあたりに近づきもせず。湾仔ではGloucester Rdで韓国人団体が道路に座り込み。だが警察は周囲を取り囲むだけで平穏といえば平穏。警察は抗議団体にビスケットや飲み物などまで補給。現場の機動隊員らかなりの疲労に車道の分離帯に寄りかかり仮り寝。今回の抗議活動が平穏なのはひとえに韓国隊の熟練の抗議術とそして香港警察の忍耐ぶり。立派。会場周辺から湾仔のMTR站までのJaffee RdとLockhart Rdは警察の封鎖でゴーストタウンの如し。そのなかでマクドナルドが営業しているのが印象的。13日には地球に優しいはずのBodyshopの休業措置が印象的であったがマクドナルドは星巴珈琲などと並びグローバリズムでは敵視されて当然の跨国企業。それが韓国隊のオヤジたちがマクドで朝食とってから抗議活動に行ったり(笑)このマクドも周辺の飲食店が完ぺきに休業の中でWTOの会場関係者や警察官にまで「開いてて良かった」状態。Gloucester Rdの道路座り込みは午後2時すぎに排除される。が警察の求めに応じて韓国のオトーサンたちが自主的に立ち上がりスローガン叫んだり機動隊に肩を組んで!笑顔で語りかけながら警察の収監バスに乗車してゆく。6日も対峙していると昨日の敵も今日の友か、いずれにせよ平穏ないい光景。早晩にFCCにてハイボール二杯。帰宅。Z嬢がKardoorie Farmから自然栽培の野菜仕入れてきて(本日Kardoorie Memorial Runあり。余は応募したが定員満額で出場できずZ嬢のみT君らの応援)大根と韮があるので大根おろしで「みぞれ鍋」にして韮と豚肉。美味。うどん茹でて韮と豚肉の出汁の出た汁でうどん煮て食す。WTO閣僚会議は2013年の国内農産品補填撤廃、06年の綿花国内補填撤廃、LDC(最貧窮国)の輸出品目についての関税撤廃など謳った<香港宣言>締結。午後10時45分、会議閉幕。儲けるところが儲かるように2013年に向けての歩みが始まる、か。経済学の碩学Stiglitz教授の“No agreement would be better than a bad agreement”という言葉を思い出す。それにしても董建華がこの会議誘致成功させたおかげで……まったく。
▼香港の市川房枝(と勝手に呼んでいるが)92歳でも矍鑠とした杜葉錫恩(Elsie Tu)女史が香港の普通選挙実施につき選挙民登録の低さや市民が十分な政治的主張や判断をする機が熟しておらぬとして普選実施急ぐことに対して疑問呈す(17日信報)。英国から宣教師として中国に渡り50年代から香港で社会福利事業に従事、汚職贈賄の香港政庁相手に民政福利の拡充訴え70年代に市政局議員となったのを振り出しに立法会議員や総督の顧問まで務めたが年をとるにつけ親中派の色彩強くなり03年の基本法23条での公安立法では立法化指示を宣い「老害」だの「保守老人」などと揶揄されもする。