富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月廿四日(木)晴。朝日新聞に日本の各都道府県のタミフル備蓄量が必要量の0.4%と記事あり。マカオはちなみに人口46万人に対して16万人分をすでに備蓄とか。
毎週木曜日の常として朝に小泉メールマガジン拝読。
私は、日中友好論者であり、日韓友好論者である。この考え方に全く変わりはない。私は、日中関係も日韓関係も将来それほど心配していない。私も、日本政府も、日本国民も、日中友好、日韓友好の重要性は十分認識している。たとえ一つの問題で意見の相違や対立があっても、これが全体の友好関係を損なうようなことにしてはならないと思っているし、皆さんもそう思っていると思う。
と。「たとえ一つの問題で意見の相違や対立があっても」と言っても、それが貿易での関税問題であるとか離れ小島の領土問題なら兎も角、靖国参拝は過去の歴史上の軍事的侵略に大きく関わる問題であり、それを侵略した国の側が半世紀経ったとはいえ未だ解消されぬ問題によむもしゃぁしゃぁと「たとえ一つの問題で」と宣えるもの。
かつて60年前にはアメリカと日本は敵対関係にあった。しかし、いま、日米は最良の同盟国、友好国になっている。ベトナムのルオン国家主席も出席し、ブッシュ大統領の隣に座っておられたが、30年前、アメリカとベトナムは敵対関係にあったが、いまや友好関係を発展させている。
……と、だから中国も日本と友好的になれるはず、が小泉思考だが、日本が米国と同盟国になれたのは米国が日本占領にあって日本の國軆をば玉に傷つけずに遺すこと前提としての戦後の親米。ベトナムとて米国はベトナム戦争の過ちを認めているし、まさか「トンキン湾事件はなかった」などと釈明しない。
このように、一つの問題があるから、一つの意見の相違があるから、全体の関係を損なうようなことにはしないことが必要だと思っている。日本と中国、韓国との関係は、相互互恵という観点からきわめて重要である。両国との関係は、経済的にも、文化的にも、スポーツの面でも、人的交流にしてもこれほど深まっていることはかつてない。短期的に一つの問題で意見の相違があったとしても、中長期的にみて、この問題が両国の関係を悪化させないような方向に持っていく努力は今後ともしなければならないし、お互い時間がたてば理解されるものだと思う。
これだけ深まっている友好関係に水を差しているのは誰か。「(短期的な)問題が両国の関係を悪化させないような方向に持っていく努力は今後ともしなければならない」と言うが、その短期的な問題の元凶は何か、誰か。呆れて言葉もなし。結びは
これは、私の外交についての基本的な考え方です。これからも、日米同盟と国際協調を日本外交の基本として、各国との一層の友好関係を深めていきたいと思います。
わかりやすい。国際強調のまえに日米同盟。自民党の50年は親米政策の50年でもある。だが例えば宮沢喜一君の親米は少なくとも日本の国益のために、という前提あり。中曽根大勲位とて同様。だが小泉三世となると国益がいずれの国の国益なのか、怪しい。
早晩に尖沙咀マカオラソンの申し込み〆きりが明日で東莞在住のO氏申し込み済ませておらず代理で。尖沙咀の東英大廈の15階に上がるとすでにほとんどのテナントが移転しており日本のサトウ製薬のオフィスと、このマカオラソンの事務処理するオフィスのみ。このオフィスには香港マラソンの膨大な量の申請書もあり、香港のChampion Chipの代理店でもあり、大規模な長距離レースの事務処理を引き受けているらしい。帰宅してスミノフのウオツカにビター数滴たらして一杯。チーズたっぷりのパエリア。残り物の赤葡萄酒(山西省のGrace Vineyard)。今ごろ雑誌『世界』の八月号読む。日経の田村さんの人民元引き上げに関する文章に、金融政策の決定、為替自由化、通貨の安定の三つは、いずれか一つを欠かすことで残り二つが成立する、という誰だっか経済学者の有名な理論が紹介されていて、日本は通貨を変動相場制とすることで政策決定と為替自由化を維持しており(これが世界の先進国の大半だろうが)、香港の場合は米ドルとのペッグ制を摂ることで金融政策の決定と通貨安定を維持している。これで見ると中国は元相場を固定することで通貨の安定を図る、その金融政策が党政府の匙加減一つ、という点では中国は経済開放などで資本主義化が見られるが今でも社会主義経済体制である、ということ。自明の理だが忘れてしまいそうな「事実」。この数週間、外食があっても暴飲暴食を避けかなり節制。食後の飲酒は皆無、午後11時には就寝の日々が続く。
▼四年に一度の香港の麻薬濫用調査で十代の学生に尋ねたところ調査対象の95,890人の学生のうち2.7%にあたる2,589人が麻薬経験あり6割強は友達に勧められて、と常識的だが、父母に勧められたが3.1%、兄弟姉妹が2.3%、つまり5%強が親兄弟から「一発やってみるか、スカッとするぞ」。息子や娘にコカイン勧める親ねぇ……。
昆明から香港旅行に来た還暦の男性が香港で女装ダンサーのショー見ていている途中に喘息の発作起こし急死。このオカマショー、こんなもの香港にあるのか?と驚いたし「香江大舞台」なる、この演舞場、場所は当然のように旺角界隈か、と思ったら、なんと香港島の西端の公団住宅団地・華富。なぜ華富にタイから来港のオカマ嬢のショウがあり大陸からのツアー客がなぜそれを見に行くのか……。まずこの「香江大舞台」は華富団地にあった倒産した映画館の跡地。映画館を居抜きで歌謡ショウにしたようで歌謡ショウの客は老人だろうが華富では集客など期待できず苦肉の策が大陸からのツアー客誘致だったのか。このオカマショウが好評で日に五回公演。大陸からのツアー客というのもオカマショウだの湾仔の金紫荊広場だの変なことに香港での貴重な時間費やす。

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