富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-11-23

十一月廿三日(水)気持ち入れ替え早晩にジムで久々に有酸素運動一時間。帰宅。おでん。大河ドラマ義経」ビデオで一本半見てようやく放映に追いついたはず。佐藤忠信は確か六条堀川の館に襲われ自刃した筈だがドラマでは鎌倉に送られる静を助けようとして命果てる設定となっていた。01年の夏に福島の飯坂の玉湯温泉に父母と大叔父を連れ湯治に参りテレビで高校野球中継みている父と叔父を宿に遺し母と医王寺に参ったことを思い出す。此処に佐藤継信、忠信兄弟の墓があり、芭蕉は「笈(おい)も太刀も 五月にかざれ 紙幟(かみのぼり)」と詠む。寝る前にJacqueline du Preの演奏するエルガーのチェロ協奏曲をCDで聴く。
朝日新聞自民党50年で中曽根大勲位が小泉靖国参拝について
外交的にみても、隣国の首脳と国際会議以外では容易に会談できない事態が続いている。小泉君の個人プレー外交で「引きこもって」いるからでしょう。小泉君は「個人的信条」で靖国神社へ参拝すると言うが、大きな国益の前では、国民の理解を求めて個人の信条は譲らないといけない。昔の政治家は笑われても、けられても、国益優先でやってきた。小泉君はポピュリズムに基盤があるから、そこからは抜けきれないんでしょうね。
御意。キョービ、中曽根大勲位がここまでリベラルに映るとは……。
▼朝日といえば加藤周一夕陽妄語も加藤先生お得意の夢で古の人に遭って物語る筋は兵法『孫子』の著者、孫武か孫?との語らいが見事。孫子から米国のイラク征伐と日本参軍の誤謬を説く筆致。だが加藤先生が紹介する
利に非ざれば動かず、得るに非ざれば用いず、危うきに非ざれば戦わず。主は怒りを以て師を興こすべからず。将は?りを以て戦いを致すべからず。利に合えば而ち動き、利に合わざれば而ち止まる。怒りは復た喜ぶべく、?りは復た悦ぶべきも、亡国は復た存すべからず、死者は復た生くべからず。
もいまの読者にどれだけ意味が解せようか。「死者は復た生くべからず」の一句は、加藤先生をして、歴史と国境を超えて私を無条件の平和主義の方向へ限りなく近づける、とさせ、この文章を結ぶが「死者は復た生くべからず」の意味も今では「死者はふたたび生き返ってはいけない」とでもとられはせぬか。
▼昨日紹介した伝統的で保守的と国民の誰もが信じている某私立校の図書館の蔵書の一部を紹介すると『マンガ 日本人と天皇シュガー佐藤雁屋哲、『近代天皇制とは何か』同上、『天皇の軍隊』熊沢京次郎(=本多勝一の共同ペンネーム)、『教科書に書かれなかった戦争』シリーズ揃 梨の木舎刊、『従軍慰安婦十五年戦争』西野留美子、『宮本百合子全集』など。如何だろうか。取り憑こう、いや都立校なら偏左書籍として焚書されるが如き書籍ばかり。
▼12月11日の香港国際レース開催日の出走馬発表になる(こちら)。スプリントは香港馬サイレントウィットネスの独壇場なのだろうが日本からはアドマイアマックス。ヴァースはローヤルアスコットのゴールドカップの覇者Westerner、日本からは菊花賞ディープインパクトに差されて二着のシックスセンス、マイルは安田記念で一着となり、この日剰でも話題にした(秋の天皇賞は四着)アサクサデンエンが早くも注目度高く日本からはハットトリックも参戦。で香港カップは香港馬はダービー馬Vengeance of Rainとジョッキー倶楽部主席所有のRiver DancerにGreen Treasure、海外からはMaraahel、Raktiに昨年の覇者Alex Gldrunに三着のTouch of Landが参戦。
▼北京で閉鎖中の通順競馬場にて競馬馬600頭屠殺だとか(蘋果日報)。香港の投資家が7億8千万港元かけ01年に開業のかなり本格的設備有する競馬場。中国国内での競馬合法化、北京五輪での乗馬競技開催に向けたが賭博合法化は程遠く五輪での乗馬競技の香港開催も決定。通順競馬場は競馬開催と暫停繰り返したが税金問題なども絡み10月から亦た閉業。経営困難で二千頭越える所属馬のうち四分の一の処分。
▼歌舞伎の芝居など町外れの橋の袂、晩も遅くに夜鷹が偶然に拾った風呂敷包みが二十年前に別れた父の借金の証文で……などという話に「芝居だから」と片づけられず。偶然とは奇異なるもの。警官が路上で歩行者の身元・所持品調べしていると、或る男の財布から映画俳優・周星馳の香港IDカードあり。他人のHKID所持は当然違法で五千元の罰金刑に処される。聞けば、この男、周星馳のファンで、96年の聖誕節に路上で香港IDカード拾うと、それが偶然にも周星馳が落としたもの。男は警察に届けず大切に財布に保管していた、との由。

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