富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-11-11

十一月十一日(金)晴。母に歌舞伎座の来週の切符購入請われネットで予約できるのは歌舞伎も進歩だが切符の優先販売などある歌舞伎会VISAカードに。日本では我はすでにクレジットカードなど「身元不詳」で申請もできぬ身だが歌舞伎会は退会せぬままでいたおかげで思わぬところで自動的にVISAカード入手。これで日本ではすでに始まった iTunes での音楽販売の利用が可。Apple社のこの音楽販売は販売実施国で発行されたクレジットカードが必要で香港から日本の音楽販売は利用できず。香港などさっさと iTunes での音楽販売始まりそうだが中国も含め音楽著作権の問題と複製で問題多いのか未だ実施されず。本日 Trailwalker2005 開催される。昨年は二年ぶりに参加して完歩果たした100kmの山々壮行。今年は参加抽選に漏れて参加できず。が本日の気温は摂氏29度まで上がり大会史上初の真夏開催ではなかろうか。我がランニングクラブから出場の17時間!での完走目指す精鋭四人も序盤から暑さにやられかなりの苦行と聞く。午後遅く左手人さし指突き指での治療に養和病院。まだ完治せず簡易ギブスはめたまま。W医師の診断によれば第二関節の靭帯の損傷まだ癒えず関節から指が本来曲がらぬはずの方向(手を伏せて左手人さし指が小指側)に曲がることがその証拠、と。「突き指して最初の治療から……」とカルテを見て「ギブスしたまま経過観察して1ヶ月後に再診」と言われると回復経過の判断なのか「医療保険は傷害発生から180日」の計算なのか(笑)。晩燈刻まで諸事に忙殺される。帰宅途中にニコンのサービスセンターに寄り先日、開平で紛失の広角レンズのキャップを購入。ニコンはデジカメ一眼のバッテリーのリコールがあり職員も忙しそう。聞けば「とても些細な問題」だそう。だが安全に配慮しての世界的な電池交換。帰宅してドライマティーニ。パスタ。Trailwalkerでは我がランニングクラブから出場のチームは1名がCheck Point 4でリタイア。夜中に大帽山とゴールに応援に行くはずのZ嬢も深夜の応援取りやめ。昨年ゴールしてRansonの黒ラベルをチーム4人で健やかに1人1本ずつ抜栓せし爽快感を思い出す。週刊文春タリウムで母を毒殺図ったという16歳の少女がブログに綴った日記を読む。識者の雑感ほど馬鹿馬鹿しいものはないが、この少女のブログについて作家の石田衣良氏が優しさで語っている。この日記を読むと一瞬、文章の技巧的なところを感じるが石田氏は、これは「特異な人の書いた面白さ」であると突っぱねて「共感を通じて人と人がつながる情動の部分が全く欠け落ちている」と見ている。そしてこの日記は「犯行声明」ではないし不特定多数が読むのではなく「空き瓶の中にメッセージを入れて大海に流すようなもので、それをまったく自分のことを知らない誰かが一人でも二人でも拾ってくれて、自分に共感してくれればいいと思ったのでしょう」と述べ、寧ろ「これを社会問題であると重くとらえすぎて普通の家庭がどんどん子どもを締め付けて、普通の子どもが壊れていったりするほうが心配です。いま以上に家庭のあるべき姿を目指そうとして、子どもに同調同圧をけないことが大切」と。御意。家庭も社会も国家もまさに同じ状況。深更にスプリングバンクをロックで飲みながら文芸春秋(12月号)も読む。この雑誌、どうでもいいがグラビア頁のほとんどが著名人使ったモノ紹介で結局は宣伝か通販。品がない。
▼香港郵政署が「香港流行歌星」なる記念切手発売。?家駒、陳百強、羅文、張國榮と梅艷芳と並べば確かに香港ポップス歌のスターであり物故者であれば記念切手になるのかもしれぬが、この十余年でビヨンドの?家駒は日本でのテレビ番組撮影中の事故死、陳百強は半ば麻薬中毒死、張國榮は投身自殺、羅文と梅艷芳の二人こそ癌の疾病だが現役の歌手として志し半ばでの逝去。謂わばこの記念切手の全員が死ぬにも死にきれぬような不慮の死。それをまぁ商魂逞しくよくぞキッチュな記念切手に出来たものと呆れるばかり。
▼十日の東京新聞に「国立追悼施設を考える会」の設立総会について報じられていた、と築地のH君より。注目は会長に山崎拓氏!が就任。ヤマタクが「今の内閣の顔ぶれについて『気になる。少し右に寄っている感じがする』と心配している」と。ヤマタクさえ憂える日本の極右化。小泉改革はとどまるところを知らず。総会への出席者は、福田、加藤紘一鳩山由起夫公明党から神崎・冬柴。これは単なる私的会合とは言えず。自民党民主党はもう一度、ガラガラポンで再編成すべき。もっときちんとタカ派ハト派で別れるほうがいい。公明党は「あと数年、あるいは十年?」待たないとそれまでは現体制であるが、いずれは切掛さえ来れば割れるであろうし。
▼お猪口大臣が小泉メールマガジンでみずからのドレスに言及した件につき朝日など新聞も記事にする注目ぶり。週刊朝日ではファッション評論家のドン小西が「各社からコメント依頼が殺到して苦労した」と書いているとか。ただ、意外にもTPOは間違っていない、と。あとはセンスの問題。あの青、しかもあの生地で確かに着こなせれば、皇后陛下和田アキ子君とか着こなせるもの。ただし、もっとタイトなデザインにすべきで、大臣があの背丈であのゆるゆるで着てはいけない。それにどうれあれ皇居での晩餐会ぢゃあるまいし皇居での認証式、内閣の初閣議、集合記念写真だと思うとTPOは間違っている、と思う。TPOのセンスのない人に(将来的に)外相は勤まらないであろう。