富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月十日(木)晴。諸事忙殺され晩に至る。晩に帰宅しテレビつけると有線電視の娯楽台にて「踊る大捜査線」というドラマの、おそらくテレビ版の初回だろう、の放映中(あとで調べると97年の放映)。刑事ドラマといへば「七人の刑事」とまでは言わぬが萩原健一の頃で刑事ドラマを見るのは終わってしまった。がついつい「踊る」の面白可笑しい本店・支店の組織論で初回だけ90分?の後半半分ほど見る。テレビ見ながら久々にダライマティーニ飲む。ベルモットをいれすぎるが、ふと思えば「ドライ」なマティーニほど通と言われ、いかにベルモットの量を少なくするかに苦心し、慎重に少し注ぐバーテンダーもいれば、最初から数滴しか落ちぬ容器を用いるバーもあればベルモットをロックグラスの氷のうえに注ぎ攪拌して液体を捨てベルモットの香りだけ氷に残すのもあり(この捨てるベルモットを「もったいない」から、まず飲んでしまうのが富柏村風)、よく使われる「オヤジのネタ」だが最もドライなマティーニベルモットをジンに注がずベルモットのボトルを眺めながらジンを飲む、などと言われる(使い古されたネタ)。だが結局はこのネタに見えるように、ただかぎりなくジンだけに近いものを飲んでいるのが当世のドライマティーニで、たまにベルモットを(といってもさすがに甘口でなくドライのマティーニだが……と書くとご存知ない方には珍紛漢紛だろうがドライマティーニというカクテルの名前とは別に「マティーニ」というブランドの「ベルモット」がドライと甘口と2種あり、ベルモットを使ったカクテルもマティーニというので、ドライマティーニというカクテルのつもりで「マティーニ」ブランドのドライのベルモットオンザロックで飲んで、それがドライマティーニというカクテルだと誤解する御仁も少なくない)たまにベルモットを(といってもさすがに甘口でなくドライのマティーニだが)1:3くらいいれたドライマティーニを飲んでみると、とても新鮮でもあった。購読している雑誌の七月号だの何冊か読む。
▼小泉メールマガジン。小泉三世本人のお筆書きは今回はAPEC首脳会議を「ソウルでの」と書いたのが実は釜山で本日午後訂正メールが入ったくらいしか面白みなし。この誤記でやはり本当にこのお筆書きは首相自身になるもの、と思わされる。今回のメールマガジンの白眉は「青空と礼服」なる少子化男女共同参画担当のお猪口大臣の一文。「長い不況のトンネルの先に見える青い空。小泉構造改革とは、苦労の多いプロセスを一歩一歩推し進めながら、経済のグローバル化という世界共通の試練のなかで、日本が再び青空に出会えるようにするためのものと改めて思い、その閣僚チームに入る喜びがこみ上げてきました」とやっぱり、希望にあふれるだけで具体的な政策は何処へ、の「近代の超克」内閣らしさ。でタイトルにある通り皇居での認証式の礼服=ドレスに話題が及ぶ。「全国で3000万人くらいがテレビにつっこみ入れた」であろう、夫である孝教授がアイロンかけたドレスであるが、本人にとっても「あれは失敗」なのかと思えば「改造内閣発足では、新任の閣僚は皇居にて認証式に臨みますが、そのときの直感で、礼服の色は青空の色!と思ったのです」と。自民党の全てを牛耳る小泉三世の今回の小泉三世最後の総仕上げの内閣改造で唯一の失敗があの青いドレスだった、というが、それに対してご本人のこの勇気。凄すぎ。
▼SCMP紙の経済面に中国のネット貿易の大手Alibabaについて大きく報道。アリババはYahoo!と提携しYahoo!がアリババの株の40%(時価US$10億)をもつことで中国国内でのYahoo!中国のオペレーション業務をアリババが運営。記事には書かれておらぬがYahoo!にしてみれば何かと面倒な中国のネットビジネスであるから寧ろ中国の企業と提携してしまうことで(公安当局に対する記者・程翔氏のメールデータ提供など)「ウチがしてるんじゃありません」と政治的な問題からYahoo!が距離を置くことも可。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/