富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-10-16

十月十六日(日)晴。朦霧。坑口のMTR站に朝八時、I隊長、O氏2名、O君それにY氏と待ち合せミニバスで西貢。タクシーで北潭涌の西湾亭。ここから九 時に歩き始め西湾の海岸から大浪湾。サーフィンする若者多き大湾。ここは余は初めて。MacLehose Trailのコースに戻り第2段の終了が丁度正午。ここまで13.5km。午 後は10kmの第3段に入り標高約400mの牛耳石山や鶏公山を登り西沙路の峠に午後三時過ぎに出る。西貢まで戻りKent of Dukeでビールを飲む。中国の日系企業に対しての工 業廃棄物管理などについて面白い話聞く(これも昨日の田村さんの文章と一緒に後日詳述)。テレビでは上海でのF1の自動車レース中継あり。ミニバスで坑 口。本日、海岸歩いていて砂浜でかなり靴に砂が入り何事かと思えば昨年の今頃購入したトレイルシューズがかなり傷んでいる。一年でかなり歩いて走ったか、 とご褒美で帰宅途中にProtrekでMontrailのシューズ購入。帰宅して昨日T夫妻よりいただいた韓国産松茸。和食。NHKのドラマ「義経」と新 シルクロード西夏の古代王朝の崩壊の話を見る。中国の潅漑や砂漠化の問題は興味深い。
▼麻生総務大臣が「こともあろうに」九州国立博物館開館記念式典の来賓祝辞で「一文化、一文明、一民族、一言語の国は日本のほかにない」と発言。麻生君の 事務所は「ヨーロッパなどは侵略や民族の移動で文化などが変わった。だが、日本は国家形成の中でそのような歴史がほとんどなかった、という趣旨だったと思 う。中曽根大勲位の「単一民族」や森さんの「神の国」以上に文化、文明に対する大きな誤謬が見事な麻生君。もう一度小学校6年生の社会科から学び直すべ き。文化までならまだしも文明にまで単一で言及とは。しかも朝鮮とは殊に歴史的に縁の深い福岡の太宰府に出来た国立博物館での話。こういう単一概念の幻想 に固執する以外に自己のアイデンティティ形成できぬとはまことに悲しい性。畏れおおくも天皇陛下のお言葉(こちら) に
日本と韓国との人々の間には,古くから深い交流があったことは,日 本書紀などに詳しく記されています。韓国から移住した人々や,招へいされた人々によって,様々な文化や技術が伝えられました。宮内庁楽部の楽師の中には, 当時の移住者の子孫で,代々楽師を務め,今も折々に雅楽を演奏している人があります。こうした文化や技術が,日本の人々の熱意と韓国の人々の友好的態度に よって日本にもたらされたことは,幸いなことだったと思います。日本のその後の発展に,大きく寄与したことと思っています。私自身としては,桓武天皇の生 母が百済武寧王の子孫であると,続日本紀に記されていることに,韓国とのゆかりを感じています。武寧王は日本との関係が深く,この時以来,日本に五経博 士が代々招へいされるようになりました。また,武寧王の子,聖明王は,日本に仏教を伝えたことで知られております。
とあるのは記憶に新しいところ。文明や文化は国という狭い範疇で形成されるものに非ず。桓武天皇の生母が百済武寧王の子孫、と天皇陛下が述べておられる のに、この麻生君の失言。陛下が「麻生はどうもわかっていないようですね」と宣われれば戦前なら即、大臣更迭で議員辞職であろう。

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