富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-10-03

農暦九月朔日。或るインターナショナルスクールの学校長の話聞く機会あり。英国系に続き米国、カナダ、豪州、独仏など各国のカリキュラム混在の香港にあつ て、この学校は敢えて基本的には北米準拠ながらいずれの国のカリキュラムと特定せず。校長曰く欧州が中等後期(日本でいふ高校)レベルの統一システムとし てIB(Int'l Baccalaur?at) 採用し世界的に標準となつているようになりIBは今ではPYP(Primary Years Program)にまで定着。また米国やカナダ、豪州はいずれも州毎に所謂、教育指導要領にあたるsyllabusがあり。つまり国家レベルで統一の指導 要領強制するのは日本、韓国、台湾、中国などなどアジアだけ、といふこと。英国も緩いがイングランドスコットランドなどの「国家」毎とも言えるがEU統 合での通貨や関税など諸般の問題と同じく欧州の大陸側の勢いに席捲される、殊に教育については英国式のO-Level、A-Levelの統一試験がかつて は英国植民地で広く採用され普及してきたが風前の灯火。で、かういふことを紹介すると「こんなことで自国の歴史や文化、伝統をどう教えるのか?」と自民党 的にオトーサンたちは心配するのだが民族芸能一つとつても興味があれば日本舞踊でもケチャでもいいわけでいろいろ見て好きなものをやりなさい、の観念で、 歴史なら国家といふ範疇で区切らず小学生であれば「稲作」「茶」といつたものを通じて自然風土、貿易、歴史や侵略、ボストン茶会事件まで学べるわけで、そ れの魅力をこの校長に多く語られる。日本はさういつた世界の流れに逆らい教育も国家に準拠すること了見の狭さ。将来なし。晩に尖沙咀歩けば大陸からの観光 客ごったがえす。Louis Vuittonの前には黒服の集団あり何かと思えば店員研修。こ の人たちがどれだけの知識もちLV販売するのか?と懸念されるが店員も店員なら客も客で問答無用かも。LVとて夜中に各店舗の近くに貨物トラックが止り1 個数万ドルのバックとてビニール袋に簡易包装されたものが地面に放り投げられ、それが店内のフロアに投げられるのを見れば商品価値といふものがいかに虚構 かマルクス的に痛感されやうといふもの。ところで大陸からの観光客といへば香港鼠楽園出来て彼らの香港での観光消費により経済効果力説されたわけだが実際 には鼠楽園出来ても香港での滞在日数変らず、つまり一日は確実に鼠楽園観光が占めることで相対的に市街での買い物などに費やされる時間減り消費増加せぬ、 といふ味方が信報に紹介されていた。さもありなむの話。