富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-09-17

九月十七日(土)昼まで快晴ながら午後天気予報通りかなりの驟雨。昨日の「キャンディキャンディ」の歌詞が完成。
誹謗なんて、気にしないわ〜、コスプレだってだってだってお気に入り、遺書 の偽造もへーっちゃら、殺人疑惑もなーんのその、私は私は私は小甜甜(シュウティンティン)、一人ぼっちでいてもとっても楽しい、そんな時こう言うの株価 を眺めて、笑って、笑って、笑って小甜甜、弁護士費用もへっちゃら、ね、小、甜〜甜〜
夕方には落雷あり。中環。三聯書店。今日の信報の文化欄に紹介されていた『香港建築百年』といふ書籍購入。ここ数年、香港のこのテの出版の充実はかなり。 Z嬢とFCCで待ち合せ。Z嬢より民主党の代表選挙僅差にて前原君の勝ちと聞く。前原君にしていれば自民党に残つておれば未だ門前の小僧扱いが民主党の棚 牡丹で棚どころか二階から牡丹餅落ちてきたようなもの。一 つ提案したきことは自民と民主の両党で合同議員総会開催し、どうせなら公明、共産を除く議員は全員集まり、改めて保守党と民主党に議員を分けては如何だろ うか。民主党のうち松下政経塾生、旧民主党(まだ若干名いるはず)、自民党タカ派も真っ青の右翼(都議か、まだ)は保守党に移り、反対に自民党からは旧宏 池会、河野衆議院議長ら旧新自由クラブ、後藤田・亀井派、中曽根Jr、親中派加藤紘一君らは民主党に移る。社民党新党日本民主党に入るであろうし。 それでだいぶすつきりする気がするのだが。FCCでZ嬢と前原君の経歴など話しながら早めの晩餐。ハイボール2杯。菅直人君が76年総選挙に当時の東京7 区から無所属で立候補しオバチャン自転車で選挙運動していたのを見ているZ嬢。晩にCity Hallの音楽廳にて第1回香港国際ピアノコンクールの決勝第 3日目を聴く。香港ショパンソサエティといふ団体の主催 で審査委員長がアシュケナージ先生、審査員には李名強先生も。李名強(Li Mingqiang)は日本ではあまり知られておらぬが1936年上海に生まれ、レニングラード音楽院にピアノを学び60年にワルシャワショパンコン クールで4位になるまで脚光浴びるが文革ブルジョワ音楽の演奏家が敵視されぬ筈もなく確か右手だか痛められピアニストとしての将来は断念。ピアノ教授に 専念し名誉回復後は1984年から上海音楽院院長。香港でもピアノ指導にあたり香港バプティスト大学の客員教授で現在は上海と香港往来し後進の指導にあた る。このコンクール4日から始まり23人の参加者が6名まで絞られ三日にわけ2名ずつの決勝演奏。で本日が最終日。つまりアシュケナージ先生は二週間香港 に滞在。秋のシーズン前にN響のほうはいいのだろうか。気になつて調べるとN響も当然の夏休みで(団員にとつては8月は夏季講習の講師だの稼ぎ時である) 来週の24日(土)がNHKホールで第1550回!定期公演。指揮はアシュケナージ先生でドビュッシーバレエ音楽「遊戯」(知らぬ)やラヴェルの「ダフ ニスとクロエ」組曲第2番の演奏。恐らく明日日本に戻り月曜からリハだろうか。Z嬢は4日の予選から殆ど全て参観続けており一度くらいと勧められての今晩 のコンクール。課題曲がモーツァルトのピアノ協奏曲から1曲と自由選択曲。上海出身のShen Wen-yuなる青年はモーツァルトのピアノ協奏曲20番(K466)とラフマニノフのピアノ協奏曲3番。モーツァルトではとてもぎこちない演奏で、正直 この難易度の低い曲でこれではラフマニノフの3番はどうなるのだろう?と思つたが予選から見ているZ嬢はこのShen君はやわらかい曲が得意なのでラフマ ニノフは巧みにこなすのでは?といふ予感的中して確かに見事にラフマニノフの3番を聞かせてくれた。競馬もこれくらい予想が当たると嬉しいのだが本日も悪 天候もあるが少し賭けて全くダメであつたのだ。途中30分の休憩に皇后波止場でビール1缶。続いて登場は韓国の百貫キムと我は綽名をつけたくらい太っちょ のKim Sung Hoon君。こちらはモーツァルトはピアノ協奏曲の24番(K491)とチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番。ミスタッチが多いが指揮者ともいい具合にオ ケも自由にあやつるようにモーツァルトを面白そうに(モーツァルトといふよりシューマンの曲のように)奏でる。オケは倫敦チェムバーオーケストラの来港(指揮はChristopher Warren-Green)なのだからアシュケナージ先生だし香港のこのコンテスト、けっこうマジである。上海や、殊に中国のタングルウッド目指す広州の CISMA(Canton Int'l Summer Music Academy)こちらはデュトワ先生が音楽監督、などの存在で香港もこのままでは音楽分野で遅れるといふ焦りもあらう。で決勝戦はこの倫敦チェムバーで モーツァルトの課題曲を演奏し二曲目の自由選択曲ではこれに香港シン フォニエッタ(香港小交響楽団)の演奏家が加わりフルオーケストラを編成。ショパンソサエティ主催のコンクールなのに なぜかファイナルは交響楽団との演奏だけで今日に限らずショパンピアノ曲がない。で百貫キム君のチャイコフスキーの1番は 「おそらくかなり違うのでは?」と彼のモーツァルト聴いて想像したが予感的中。とくに第二楽章など全く違う曲か?といふくらい彼の解釈で、解釈もあるがミ スタッチのごまかしでもあり。だが小錦みたいな身体でかなりアップテンポにこの曲を弾いてしまふから第三楽章などもう客席も楽しさ満点。ガーシュインなど 弾かせたらかなり楽しいはず。下手すると1時間後くらいになる最終審査発表待たずに帰宅。
民主党の代表選びは小沢一郎君の出馬断念で前代表の菅直人 君と若手前原誠治君の一騎打ち。朝日新聞に二人の「好きなもの」一覧が出ているが結果的に言うと「どちらも魅力に欠ける」で「これで次の総選挙戦えばまた 負ける」であらう。まず前原君だが「立てても横にしても逆さまにして振ってみても松下政経塾以外の何ものでもない」個性の欠如。ファミレスじゃないのだか ら個人の個性が欲しいところ。前原坊やの愛読書は司馬遼太郎坂の上の雲)と城山三郎(落日燃ゆ)、カラオケは谷村新司の「群青」、座右の銘は「至誠」と 「天命に生きる」で尊敬する人が松下幸之助高坂正尭。……これぢゃ松下政経塾生の好きそうなもの、を「ありがち、で列挙してみた」そのもの。これが政経 塾の卒業間際の試験の問題でかう答えたら「落第」とされるべき個性のなさ。松下政経塾が勿論、個性ある人材の育成など出来ぬのは当然だが、それにしてもつ まらぬ人材育んだもの。もう少しキラリと光る何かが欲しい。愛読書で松下政経塾生にとっては「新鮮な」丸山真男であるとか河上肇あたり挙げると「お、こい つは」と思えるが司馬遼と城山では……。谷村新司松下政経塾でライブ、といえばすっ飛んで来てくれる芸人。尊敬する人も本田宗一郎あたり挙げると面白い のだが。ところで家族構成で「母、妻」と書くのは「妻、母」のほうが自然な気がするのだが如何であらう。母が妻より勝るのは儒教的なのかマザコンか。結果 的に前原君に松下政経塾出身のエリート=つまらない、といふ印象拭えず。松下政経塾に入れば政治家になれる、といふのは吉野家にバイトで入つて店長になる より簡単かもしれぬ。で対抗馬の菅直人君であるが結論を先にいえば「勝てない」運命にあり。趣味は囲碁とスキューバダイビング。囲碁も内向的であるし潜水 も。将棋とハングライダーとか言わないと勝ち目がない。カラオケはチェッカーズの「ギザギザハートの子守歌」は一瞬「へぇ」とウケるかも知れぬが「わかっ てくれとは言わないが、そんなに俺が悪いのか〜」はあまりに笑えぬ本音であるし、映画は「七人の侍」で尊敬する人は高杉晋作。どちらも理想的ではあるが天 下取りはできず。座右の銘は「人生ただ一度」だが市民運動から今まで何度やり直ししているか。民主党の「何度でもスタートラインに立てる社会」とは矛盾。 で愛読書はハックスリーの『すばらしい新世界』なのだが実は余はこの本を菅君に個人的に勧めた人を知つている。菅君が年金問題で党首辞任し四国でお遍路し ていた最中のこと。紹介した本人から直接メールで聞いた話だがこれ以上書きたいが書けない。余の日剰にも二月初旬にフィリピンのセブ島で突然『すばらしき 新世界』読了、とあるのは、その人からこの本の話が出て突然また読んでみよう、と思つた次第。で、日本がこのままいけばどうなるのか?の啓示として勝ち組 と負け組の分層化と生産の効率化考えると『すばらしい新世界』は読むに値するがポジティブでない話。まだハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』のほうが 月の弱者たちが地球に向かい独立戦争を挑む積極性あり。民主党の党首で理想的なのは趣味は都市の散歩、愛読書は「あらためて」丸山真男と作家では井上ひさ し、カラオケは西田佐和子の「アカシアの雨がやむ時」と井上陽水、家族構成は妻と母、好きな映画はトルコ映画の「路」と「みつばちのささやき」、座右の銘 は「民主主義」で尊敬する人は石橋湛山……くらいなら面白いと思うのだが。ところでセブ島で読了の『すばらしい新世界』はそのままホテルに置いてきたの で、もしかするとセブ島のどこかにホコリを被っているかもしれない。もしその本に遭遇の方がいれば「民主党菅直人推薦」と書いていただきたいところ。

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