富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-09-08

九月八日(木)曇。小泉自民党の歴史的勝利まであと3日。IHT紙に情報公開クリアリングハウスなる組織の ミキユキコなる方が指摘しているのは“Ordinary Japanese feel little country's democracy”であり“Japanese citizens are ultimate free riders. Support from citizens is necessary to form a base for democracy, but Japanese people don't seem to feel they are the ones who should support civil society”といふこと。だが同じIHT紙の記事にはソウル国立大学で日本政治を専門にするPark Cheol Hee教授が“This is the last stage of one-party rule. I don't think the LDP will rule for another 50 years - possibly another 5 or 10. The Democratic Party might fail this time, but they will try again. This will eventually produce a competitive, two party system and lead Japan to a true democracy”と述べるが、さう楽観視してよいのだろうか。今にして思えば例えば社会党の甘さ、そして何よりも細川・青島・巨泉といつた人気とりで 期待集め何もせずに匙放り出し逃げた輩の無責任。これに比べれば石原慎太郎のほうがどれだけマシか。小沢一郎から国民新党は所詮「自民党補完装置」なだ け。有権者のすべての期待など、ただ彼らに無碍にされ、で今度は近い将来を「同じスタートラインから何度でもチャレンジできる」民主党に託せるかどうか。 自民党の恒久が続くのかも。もはやフランシス=フクヤマ的な「歴史の終わり」。あのフクヤマ氏の「歴史の終わり」発表された当時、内容一瞥し嗤つていたが まさか現実になろうとは。韓国は北朝鮮含みでまだわからぬが日本自民党中国共産党に台湾国民党(次期政権から)でシンガポール人民行動党までアジア型 政治体制の完成かも。早晩にジム。トレッドミルで走る。四日目。帰宅してズブロッカ飲むが二杯と言いたいが一杯目注げば瓶は空になる。ぐいぐいと毎晩二杯 ずつ飲めば当然。宮崎出身の知人にいただいた「冷や汁」など食す。NHKNHK山梨局制作の甲府空襲の特集番組を見る。甲府空襲で両親失ったM氏が甲府 空襲に参加の当時の米空軍兵と当時のことメールでやりとりなどする。この夏、戦後60周年で沖縄だの甲府だのこうして戦争の惨禍の被害地に生きる人々の話 いくつか見たが、これはこれでいいが、では逆に日本軍の中国侵略で両親失った地元民と旧日本軍兵との同じようなやりとりを番組で見たかどうか。現実に中国 訪れ謝罪の旅を続ける旧日本兵の老人もいる。被害者と加害者の立場での歴史を同等に見ることで歴史から真実を考える機会になると思うのだが。ところでこの NHK山梨の番組の中でM氏(日本航空の旅客機パイロットで今は定年退職で隠居の身)が郷里を訪れる場面あり。これまで同窓会などで甲府に戻つてもけして 両親と暮らした家のあたり訪れることがなかつたM氏が戦後初めて訪れる。その時に偶然に路傍に佇む男性が「あれ、Mさんでしょう、日本航空で出世したっ て。当時の面影がありますわ」と声をかける。フジテレビの朝の番組で「やらせ」問題になつているが、これも「やらせ」ではないだろうか。芸術新潮の八月号 ドイツ旅行特集を読む。
▼晩のNHKニュースでタイ南部の小学校教師の拳銃訓練の様子。タイ南部でタイからの分離独立を主張するイスラム教過激派が「テロ」頻発。でニュースはこ のタイ南部でテロの標的とされる公立学校の小学校教師による拳銃の携帯と防御・射撃訓練の様子。マレーシアとの国境で住民の9割がイスラム教徒だが地域の 学校教師のほとんどが中央から派遣された仏教徒。で学校の教師がテロ襲撃の標的となり何人もが殉死。で教師らが政府に対して護身用の拳銃の携帯を求め実際 に銃の訓練。地元には地元でイスラム教徒の教師を配置せば問題はない。平和裡な環境で子どもの教育を考えれば、それが真っ当。だが敢えて仏教徒の教師をば 派遣するのは「国家による」義務教育の本当の主眼が「国民養成の教育」であるがゆへ。仏教を国教とするタイであるからイスラム教徒にも間接的にであるが仏 教的世界の強要が小学校の現場。アイヌの子どもへの明治政府の初等教育の実施であるとか台湾の「蕃族」教育であるとか「未開」の民の文明化はかうして行わ れる。が、それが現代でもイラクでの民族対立のなかで教育介入もあり。タイで教師が拳銃で護身がどれだけ異常なことか。慈悲の仏教であるとか微笑みの国な どといいながら近代国家の恐さ。教育、子ども、イラクで思い出したが(朝日新聞で紹介)バフマン・ゴバディ監督の映画『亀も空を飛ぶ』(Turtles can fly)が17日(土)から東京岩波ホールで上映始まる。今年の香港映画祭で見たが、これは必見。
朝日新聞の箱島前社長が新聞協会会長と朝日新聞取締役相談役を辞任。田中康夫亀井静香会合の虚実報道の引責。記者会見もあつたが朝日新聞は「リリー フ」秋山社長の謝罪記者会見はあつても箱ジョンイル氏自身の会見での写真は掲載せず。NHKの海老ジョンイル、日経の鶴ジョンイルと並ぶ箱ジョンイルで 鶴、海老、箱の順で辞任。ちなみに鶴・海老は茨城出身。

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