富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-09-07

農暦八月七日。白露。光化学スモッグ的に不透明な大気がチラチラと光る。新 聞の広告で女性誌LEE10月号の特集が「上品マダム派北澤恵理さんvs.華カジュアル派五明祐子さん「三種の神器服」で秋服シフトは成功する」と意味不 明の特集。八咫鏡(やたのかみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)をどう夏服から秋服への季節の着替えのなかに用いるの か、と思つたが単に「ジャケット、トップス、ボトム」を三種の神器と宣ふ。畏れ多くも皇位継承の徴したる三種の神器集英社の不敬甚し。ドラマ「義経」に て松坂慶子が「帝と三種の神器をこの平家が絶対にお守りするのです……」と下手な演技していたが「絶対に必要なアイテム」でファッションに転用か(嗤)。 「郵政改革、公明党北朝鮮」なら小泉三世の三種の神器靖国、は違ふ)。公明党といへば「このまま何事もなく小泉自民党圧勝か」の衆院選挙。マスコミの 「自民党圧勝」予測を寧ろ無党派層の票が流れると戦々恐々の自民党執行部。各地では公明党選挙協力得られぬと自民党候補が友党の態度解消の動きも少なか らず。公明党にしてみれば創価学会票だけではこれ以上の票獲得がもはや限界で公明党自身では非創価学会票得ることに難ありでの自民党との協力だが自民党内 部にはもともと友党意識もなし。選挙前数日の話題が自公の選挙協力の縺れ程度とは。昼に銅鑼湾。大気汚染ばかりか空気の流れといふものがなく酸素欠乏で呼 吸も能わざるが如し。六、七年前の香港マラソン当日の朝にこのやうな天気ありスタート直後に倒れるランナー続出思い出す。早晩にジムで小一時間走る。三日 目。偶然今日電話で数年ぶりに話した女性に、社交的ではない単調な生活でランニングしているのは「村上春樹みたいね」と言われる。村上春樹は個人的に「好 きとは言いたくない」が、かつての不健康な生活が一転してのランニングに「寛平ちゃんみたい」とよく言われるので、それよりはまだマシかも。ランニング中 に眺める晩のニュースでは今日も香港鼠楽園なのだが四日のコミュニティチェスト対象の公開日での参観者の不満が高まれば提灯報道は一転して香港鼠楽園の狭 さなど酷評。開幕するのはメインストリートの「美国小鎮大街」と「明日世界」に「幻想世界」だけで第一期工区のうち「探検世界」は未完成。乗り物などアト ラクションは廿数個で他の世界各地の鼠楽園に比べると遊技施設が他は80〜100で敷地面積も東京は香港の10倍とか。香港のこの規模で3萬人詰め込んで は同じ「2時間待ち」でも利用者の心理状態も違うもの。政府が土地造成し提供した第二工区は未着工で鼠楽園側は具体的な展開を明示しておらず。マカオのカ ジノ王スタンレー・ホー君も「一度行けばもういいよ、ありゃ」と発言。三日に訪れた北角在住のA奥様も一言「あかん」と。コミュニティチェストの公開日に 欣喜雀躍で訪れたはずの子どもが「もうおうちにかえる〜!」と親にせがむ姿。公金投入の無駄。帰宅してズブロッカ二杯。カレーライス。競馬はハッピーバ レーの開幕日。多少の荒れを予測して賭けるがちっとも当たらず。競馬がてら溜まつた雑誌いくつも読む。芸術新潮は三ヶ月も前のもの。三更に大雨落雷。司馬 遼太郎『街道をゆく』の古座街道を読了。
▼米国の中国論評サイトに記事投稿せし中国国内在住のジャーナリストが国家機密漏洩罪で懲役10年の判決。これぢたいは驚かぬが匿名記事でなぜ書き手が判 明かといへばYahoo!メール利用しての登校で中国のYahoo!サイト運営する香港雅虎(HK Yahoo!)が中国当局に対して、このメールのIPアドレスなど提供し当局は発信元が湖南省の「当代商報」紙の編集部であることから、この記者を特定し 逮捕。物言えば唇寒し夜風(やふう)かな。

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