富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-08-13


八月十三日(土)晴。昨日、新潟の新津での「そうのババール」展のこと綴つ がこの夏の日本で勘三郎の納涼歌舞伎より是非行きたいと思つたのは新潟の21世紀美術館だかで上映中のMatthew BarneyのDrawing Restraint 9であつた(こちら)。猪 苗代からなら車で一時間半ほどで新潟か、と思ふと残念。日本は、聞いて驚いたがマンションでバルコニーに花を置いたくらいで階下から「バルコニーに花びら が入ってくる」と苦情があり管理事務所が全世帯に「バルコニーに花びらや葉っぱが散るものを置かないでください」とお知らせを出してしまふくらいバカな警 戒社会であること、そして地方都市の空洞化の寂しさはひどいが、朝食からの美味さ、そして舞台だの美術展などの多いことは羨ましいかぎり。朝、東京に戻る Z嬢を駅に送る。帰宅して通販で届いた書籍など整理。澁澤龍彦の『血と薔薇』創刊号〜第3号入手。父の遺した写真機とレンズなどの整理。午後遅くまでかか るほどの量。几帳面な父は写真機やレンズの箱から説明書、保証書にレシートまできちんと保存されており、写真機用の除湿収納ケースから出したレンズなど箱 と合わせるに難儀。若い頃に愛用のオリンパス数台と、我が生まれた頃からのニコンの一眼レフばかり。ニコンのカメラのうちAFになつたF-301以降のモ デル五台は電池部分の故障や今後の使用はおそらく考えられず父の遺品といへ並べておくにも能わず、それに残念であるが高校の頃に父にあてがわれた写真機 Nikon EMは当時Kの写真撮つた思い出もあるが故障しており、母とも相談の結果、さういつた写真機とそれ関連のレンズやアクセサリは処分することとする。結果的 に残したのはニコンF、F2、FT2台、EL2台(このうち一台は余が二十年前に上海の和平飯店ロビーの大理石の床に落とし上部に打撲傷あり)、その頃の レンズ数々。ニコン以外では小西六のPearl IIやオリンパスはWide、35EDとまだ現役で使える精度のPen-EEの三台。ContaxのT2は化粧箱から説明書、保証書にContaxの包装 紙まできちんと保存されており驚くばかり。母の友人であり地元では名の知れたアマチュア写真家のY女史に来宅いただき写真機見てもらふ。Y女史には父の形 見に、とProd-20'sのミノルタによる復刻版差し上げる。いろいろ片付けで一日が終わる。物置のなかに我が幼児の頃に「いろは」の仮名文字覚えるの にとあてがわれた玩具など見つけ当時懐かしむ。
▼元・衆議院議長綿貫君が無所属での衆院選立候補にあたり「自民党と戦うつもりはない」「自民党はとんでもない人にハイジャックされている」と小泉批判。 ハイジャックされれば通常は数分から、遅くとも数十分後から数時間以内で旅客はハイジャックされている事態に気づく。四年の長きにわたりハイジャック犯が 操縦する旅客機に搭乗していたほうが異常。自民党といふのは総裁が機長で所属議員といふのは旅客であるほど運命を機長に委ねるほど主体性のないツアー団体 客なのかと驚く。確かに各旅客は(尖沙咀などで見かける野暮なツアー客同様に)個性的なのだが連れられていくままに着いてゆくのがツアー客。厳密には、こ の旅客機の乗客は機長を信じているのではなく自民党という旅客機に対する信頼。それが機長がおかしいから旅客機の航路が迷走している、といふのが自民党の 反対派。日本航空御巣鷹山の事故から20年目のこの夏に旅客機の整備不良や機体事故続いているが自民党は実はおなじような金属疲労を小泉三世就任以前に 起こしており、機体を徹底改良整備する気もなく安易に変人機長が操縦すれば機体も驚いて少し正常になるかも、程度の発想。で結果がこれだよ、えっ、そうだ ろ(と談志調)。だが旅客機で機長が全権掌握。下手すると変人機長が航空旅客規定、機長の命令に従わない」乗客を飛行の安全を理由に振り落として安定飛行 に入る可能性もじゅうぶんにあり。

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