富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-08-09

八月九日(火)奇跡的に朝八時まで朝寝貪る。日の出で目覚めず。小雨ぱらつ く曇り空。朝イチでバンコクで発行の読売新聞衛星版読む。小泉三世は郵政民営化が「国民に本当に必要ないのか聞きたい。今回の解散は『郵政解散』だ」と宣 つたそうな。国民が小泉政権に期待することは景気対策や民生改善が最も多く郵政民営化など新聞の世論調査でもかなり下位にあることは事実。今さら何を国民 に問うのか。それにしても狡い手である。自民党の獲得議席数で郵政民営化に対する国民の意思をはかるとは。自民党自身が造反組と造反はせぬが小泉政権から 距離を置く議員も多いわけで、自民党得票数がそのまま郵政民営化賛成ではない。本来なら郵政民営化だけ国民投票でもすればよし。読売新聞は一面に政治部長 小田尚君の署名論評で「歴史の審判に堪えられるのか」と小泉三世の政局混乱と政治空白生んだ衆院解散にかなり否定的。自民党造反組にも民主党にも否定的。 そこまでしか書いていないが暗に今回の造反には加わらなかったものの小泉三世とは一線を画す自民党の新しい主流派への支持と読めなくもない。Int'l Herald Tribune紙も一面で小泉三世国会解散報じる。Norimitsu Onishi記者はこの選挙結果が小泉三世の続投の可否を決めるばかりでなく小泉三世がブッシュ二世の最大の支持者であることを指摘。自民党の分裂や議席 激減などあれば英国の選挙ではブレア労働党が勝つたブッシュ君にとつても痛手であること。朝食をとりながら日本の政局混乱の新聞読みふけるビジネス客少な からず。この日本に比べタイは「おだやか」である。英字紙のバンコクポスト一面トップに、タイ湾を70kmにわたり横断するLeam Phak Bia海峡橋の建設につきラーマ9世(Bhumibol Adulyadej国王)が投資価値の有無、環境破壊など懸念をThaskin首相にご下問。首相Thaskin君は御意に従い即刻この橋の建設計画白紙 撤回、といふ記事あり。立憲君主制の極意。日本の象徴天皇制ではかうはいかぬが日本がタイのようであれば陛下が平和憲法改正に懸念表明したら小泉内閣総辞 職で終わつてしまふ。朝食後にゆつくりとホテル出てSkytrainで昨日同様にチャオプラヤー川岸のSaphan Taksin駅まで行きSathornの波止場から水上バスでN15のThewet波止場まで船に乗る。汚い川だが周囲の寺院が青空に輝けば、このタイの 文明に包まれているか安堵。国立考古学研究所、これが国立?と思うほど小さな国立図書館を経てDusitのVimanmek Palace訪れ王宮のなか見学。ラーマ五世(Chulalongkorm王)の造営した宮殿。王室領で貴重な所蔵品も展示といふことで警備厳重。靴を脱 いで15人ほどのグループで英語での解説聞きながらの移動。ちょっとグループから離れると何処からともなく係員現れる。宮殿の原形をとどめつつ冷房設備を 床下や天井に見事に埋め込む。良子妃殿下の写真あり。携帯品も全て預けポケットには小型のデジカメあるが撮影でもしようものなら王宮警察にしょっぴかれそ う。他の国立の美術館など全て月・火は休館。午後は隣地のDusit動物園。倫 敦でも北京でも何処でもZ嬢と動物園だけは訪れる。動物との距離が近い親しみやすさ。入園者も少なく近所の学生が時間つぶし。気軽に餌をやる市民。現国王 ラーマ9世のChitralada王宮の前から5番のバスで、かつでの市街の中心部であるMahakan Fortまで行き47番バスに乗り継ぎ息をするも控えたくなる渋滞の排気ガスのなか国立競技場前まで。市内の移動で動物園出てかれこれ一時間半。 Skytrainでホテルに戻る。乗り物好きとしてはKhlong Sean Sabの水上タクシー利用しなかつたのは残念。昼食とれぬままの市内歩きでホテルのラウンジで軽く下午茶。スパに一浴。スコールと呼ぶには二時間ほど続く 大雨と雷雨。晩はルンピニスタジアムでムエタイ観戦。観光客らしくリングサイド。隣席の西洋人一団はバン コク在住か常連らしく場内の私設ブックメーカーでかなりの賭け。賭ければかなり盛り上がろう。予想以上にムエタイ面白いのはその宗教的色彩からだらう。ル ンピニのボクシング場はかなり庶民的で冷房もなく所々に雨漏り。選 手の控室も満足になく観戦者の洗面所の横で試合前の準備をして試合後に戻る。偶然にメインイベント第5試合の一つ前116磅の試合に出た若干17歳の Sithisakなる選手の試合前の準備、試合見守る家族、試合ぶりと試合後の表情まで追つた画像。第7試合まで見て全試合跳ねた後の混雑避けようと会場 出る。Suan Lumのナイトバザールを少しだけ歩く。政府の政策もあり若者に就業、事業の機会与えるべくバザールの店舗貸し出し。衣料雑貨など商売する若者多し。 MRTでSilomに戻り、晩飯も逸したため、これから遊びに行く若者相手のNoodieな る麺屋で軽く麺を食しホテルに戻る。昨日の日剰綴るなどして午前二時半に至る。
▼ルンピニスタジアムに向かうSkytrainの中でバンコク在住らしき日本人が日本から訪泰の知人相手にタイ論評。「タイ人は急がない。」それはいいが 「努力というものがないんだよね。今日、生きていればいい、ってわけだから明日のことは考えないんだよ」と。それじゃアナタは努力して何を得て、それがタ イ人の得るものと何が違うのか。聞いている方も「なるほど」と納得顔。このタイ観が拡散して「タイ人」が形成される。でも否定的な印象だが「悪くない」か も。努力して何になる、明日のこと考えて何になる、かはこのオジサンに聞いたところでまともな答えもないところ。
▼Skytrainの駅で改札潜ったところで午後六時。国歌演奏。立ち止まり。何も知らずに改札潜って歩いていて係員に足止めされる日本人観光客。コン コースの上を電車が走っていく。あ、電車を一本逃した、などと残念がることが上述のタイ観ではタイ的でないのかも。王室に敬意払うならばSkytrain も路上の自動車も一旦停止すべきでは?と思ったがバンコクの小話だと「まぁ路上の自動車は渋滞でいつも止っている」となるか。
自民党河野太郎君のメールマガジン首相官邸からの連絡あり、と。「小泉純一郎という政治家は」といふ突き放した書き方で河野君の話では、小泉三世は 選挙制度上、重複立候補という制度に批判的で、これまで比例代表に重複立候補せず。だが自民党神奈川県連として「今回は郵政解散であり郵政民営化に賛成、 改革し続けることに賛成の人は自民党に一票を投じて下さいという選挙であるので、今回の比例代表には重複立候補して下さい」と県連会長として小泉三世に打 診したそうな。その結果が官邸からの連絡で小泉三世は今回は「そういうことならば県連会長の意向通り重複立候補する」と了解したと言ふ。

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