富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月廿六日(火)リンパ腺痛みあり夏風邪の気配。老身には風邪も用心と早晩に帰宅。先週末から貯つた新聞がかなりの量ありゆつくりと読もうかと思つたがGoogle衛星写真など眺め始めれば東都は畏れ多くも宮城の吹上御所から半島に目をやれば平壌市街、それに中国なら北京の中共幹部棲息される中南海の壁の内まで「あらまぁ」といふほどに衛星からの眺望。ついつい呆見。晩に韮を使った豚肉のしゃぶしゃぶ。と聞けば「あれか」と合点される方も少なくなからうNHKの「教養」番組・ためしてガッテンで紹介せし平野レミのレシピによる韮の栄養素を無駄にしないといふ豚肉のしゃぶしゃぶなのだが(番組評はこちら)予想よか韮を使ったタレが美味(レシピ)。レシピでは市販のチキンストックや蕎麦つゆ用いるが軽く出汁をとり蕎麦つゆも自家製でなお好し。韮と豚肉から出汁がでたスープでウドン煮て残ったタレで食すとこれも秀逸。豚肉といへば四川省で豚の連鎖球菌で廿人近くが死亡。香港も四川省から豚肉多く仕入れ「疫禍」で中断らしいが今更この時代この程度の疫病に驚きもせず。数時間かかり新聞読み。先週の中国人民元切り上げについては紐育タイムスの七月廿二日のPaul Krugman氏による論評“China Unpegs Itself”が興味深い。かなり久々に深更に至る。
朝日新聞郵政民営化支持について。教育に新聞を、のNIE「ののちゃんの自由研究」で郵政民営化取上げるが「郵便局が変わる?」の内容は明らかに郵政民営化の良さばかり強調の偏向。前回の「国連は何するところ?」に比べても、国連の場合、国連の存在は前提としての国連の役割の検討であつて勿論、国連の存在の可否など問うてはいない。それに対して今回のは郵便事業の根本からの存続の存続の可否について。問題の置き方が明らかに違うはずなのだが。
蘋果日報の日曜版で陶傑氏が「中国の歴史では大きな戦乱の惨禍にて人口が減ることは平常のこと」と述べたのを副刊で連載の左丁山氏が受け驚く勿れ西漢平帝元始二年(西暦2年!)に中国の人口は5,959万人が(この時代に人口統計あることぢたい偉大だが)千六百年経た明朝末年(熹宗天啓六年・西暦1626年)は5,165万人と人口増加なし。三国時代には数百万人に迄減つたといはれ南宋の光宗年間(西暦1193年)に金宋だけで7,630万人の人口があつたともいふ。歴史上、戦乱や天災にて人口激減が頻繁。それが一気に人口増加となつたのは清朝になつてから。乾隆六年(西暦1741年)に人口統計がそれまでの「丁」つまり納税単位から「口」実際の人口に変わつたこともあるが康煕・煕雍・正隆の三代は戦乱もなく正に太平の世が続き出生率上昇し乾隆六年に人口1億4300万人に膨れ上がり百年余経つた道光廿九年(西暦1849年)には4億1298万人に至る。太平天国の乱で死者が二千万人と云はれるが人口の5%。それからも人口増加続き日本による侵略、国共内戦中共統治下での大躍進運動文革など経ても人口増える。
▼ディスコでのお気軽な麻薬売買は夏が旬。学校が終わり学年末で長い夏休みの若者=鴨が「ひと夏の出来事」求めディスコ=餌場に鳩るわけで「組織」にとつてはおクスリ販売の強化月間。音楽が賑やかな暗いディスコの片隅で売り手は目聡く鴨を見つけ「ちょっとハイになる合法ドラッグあるけど要らねぇか?」と声かけてエクスタシーだのアイスを一粒百ドルの現金取引で……と想像したら大間違い。旺角のディスコでは「組織」がなんとレストランで飲茶の点心を販売するワゴンにおクスリ各種を並べてディスコ内でワゴン車推して商売(笑)。警察が三カ所のディスコで現行犯逮捕。だが警察も隠れて商売してくれてりゃ検挙も格好いいが「蝦餃〜、焼売〜!」のノリ相手ではお笑いである。

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