富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月十五日(金)快晴。雲一つなき青空。某組織に請われ某所にて講演一つ。講演といふより漫談か。早晩にハッピーバレーの澄寿司でにぎり寿司を持ち帰り。 祥興珈琲室でエッグタルトも購ふ。今晩は某所(ゲストハウスのような場所)に隠る。日曜日に薮用あつたがそれも無理を言つて断り週末は隠る打算。いくつか 本を持参し心ゆくまでのんびりするつもりなのだが。
▼昨日からの今日の楽しみは勿論、船橋の市立図書館での司書による「つくる会」関係書籍焚書についての産経新聞の論評。築地のH君より産経社説(こちら)が期待通りの出来、と知らせあり(笑)。誰もがこの司書の印象は左翼、市民運動に熱心、購読するのは間違いなく朝日新聞、なわけで朝日は社の主張としては「つくる会」の歴史観に反対するが表現、出版の自由は擁護されるべきで図書館で司書が個人的判断で書籍処分したことに対しては反対を主張(こちら)。それに対して産経は、この判決がもちうる意義として公民館や図書館での(産経的には絶対に許容できない)「自虐的」「反日的」主張をも保護しなければならない、というようなことは当然、意識の片隅にものぼっておらず。むしろ「新しい歴史教科書をつくる会は日本の未来を担う子どもたちにバランスのとれた歴史を伝えようという人たちの集まり」であり「マスコミの一部に扶桑社教科書のみを排除しようとする論調もあるが、やはり自由な言論を封殺するものといえるだろう」とこの時ぞとばかりに扶桑社ばかりを排除しようとするマスコミ=つまり朝日を「自由な言論を封殺する」と攻撃。それじゃ産経が扶桑社の教科書のみを推薦することは言論機関として「バランスのとれた」ことだろうか?となるが産経に指摘するだけ野暮。また多様な言論を保証することが大切だとするならNHKも公共放送として図書館同様に多様な言論が保証されるべきで、NHKのドキュメンタリーなど偏向と批判していいのだろうか。この図書館司書が図書館の規定にそぐわず自分の判断で勝手に蔵書を処分したことが最高裁違憲とされるのならNHK自民党からの圧力はなかったとしても総局長が勝手に番組内容に示唆を与えることも図書館司書の行為が違憲と同じレベルで問題があると思えるのだが。それにしても産経が「蔵書の取捨選択は地域住民の立場から、公正に行われるべきである」と強調するのは気になるところ。下手すると関係者動員して組織票を集め身内、味方の著作を購入させる。いったん購入すれば「市民が要望した本」となり、一方で、従軍慰安婦などを扱った図書に対しては「公共図書館にふさわしくない」という「地域住民の声」を集中させれば「公正に」排除も可。
▼多摩のD君から図書館の話ひとつ。沖縄の西原町なる自治体の図書館前広場に大砲を飾る動きあり。2004年12月に西原町幸地の建設現場で旧日本軍の 155ミリ榴弾砲見つかり町は「平和教育に活用する」としていたことから始まり今年3月に町議会がこの大砲を図書館前広場に設置すること可決。60年前の沖縄戦で住民の二人に一人が犠牲者となったこの町。地元の反対住民の主張を紹介すると、町長は「平和教育のため」と謳ふが説明文が加えられるとしても単独で置かれ人目にさらされる「大砲」が与える衝撃の大きさ。図書館は「一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設」で「大砲」の設置場所としてふさわしくない場所。
▼北関東の民度の低さについて仙台出身の友人に指摘される。選挙の結果をみれば一目瞭然。いまどき「保守独占」など北関東のほかは北陸と九州くらい。東北は案外自民党が弱い。知事も6県のうち半分以上は自民が負け。小沢一郎の影響も多少はあろうが、やはり農政への批判が強くて(これが理性)、もう百姓が黙って自民党入れる時代でもない、と。つまり北関東は東北の百姓(と栃木茨城は東北を嗤うが)その東北の百姓より田舎者であること。

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