富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月十日(金)薄曇。喉痛ひどく咳も出て養和病院に診断請ふ。この病院の会計に務めるL嬢に余のつけているマスクは子供用だと指摘され赤面。どうりで小さい。とうとう今週はジムで鍛錬もできず早晩に早々に帰宅の途につくがバスが拙いことに北角通りついつい途中下車し開店間際の寿司加藤でビール一本。ご主人と世間話。さすがに刺身つまめずN君が供すは白魚の辛味大根和えとホタテの縁側使ったサラダ少々。美味。他の来客あり。それを契機に加藤を辞す。先日、唯霊氏が自宅近所の美味いものと挙げたのが上海料理の雪園、寿司加藤、北角道の牛南湯・牛一に阿鴻と海南鶏飯の勝利(今月二日に唯霊氏が海南鶏飯が美味いと書き余が日剰で名前失念していた店が此処)の五軒でそのうち阿鴻と勝利の場所知らず北角に古いL氏に場所を先日教えてもらい先ほど寿司加藤で内儀さんに阿鴻が潮州滷水で有名なこと聞き加藤を出てから和富道を散歩がてら阿鴻の前を通ると成程蔡瀾氏が紹介しておりけっこうな繁盛。その近くに勝利小厨あり。何処かで聞いた名前と思えば旺角に店あり此処が分店。折角だから海南鶏の例牌を持ち帰り。書局街の天天で豆乳二本、隣の公和で端午の粽購ふ。帰宅。勝利小厨の海南鶏美味。海鮮のパスタ。白葡萄酒少し。
▼食べ物の話が続くが昨日の蘋果日報で蔡瀾氏が市街で料理屋の看板に「京滬川」と書いてあると北京、上海、四川の三つの異なる料理の美味いものを全て料理できます、で料理人は神業か……とはいへず実はいま流行のフュージョン料理と同じで一通り習いましたが今ひとつ「これっ!」といふ域には達しておりません、のこと、と。然り。最近、確かに香港で「京滬川」と冠つけた店多し。美味いのではなく単に「広東料理じゃありません」の意味で理解すべきか。
▼これまで前首相森喜朗君を鮫の脳味噌だのと嗤つたこと反省。昨日の森派の総会にて森君は小泉首相靖国神社参拝自粛を求めた衆院議長河野洋平君を安倍晋三が「外交権は行政の長にあるのだから、もう少し慎重に考えていただきたい」などと批判したことにつき「議論するのはいいが、先輩を非難することはできるだけ避けるべきだ」と語り同席の安倍坊に鮫の一咬。森君は河野君の自粛要請につき「河野さんは自民党が一番苦しい時の総裁。総裁経験者として皆さんの意見を聞いた。河野さんの発言は党を思いやってのことだ」と擁護(朝日)。個別にいえば済むことをわざわざ総会の場でとは立派。朝日新聞で躍起となる政治部、そして自民党内での安倍坊へのこの動き。安倍包囲網は着々とせばまりつつある、と築地H君。それにしてもこの流れを読み切れない町村君は政治生命の危機。誰が考えても政権がいったん安倍にいったら、もう浮かばれないのが町村君。安倍坊を追いだして自分が森派を継承する、という計算くらいはできる男だと思つたと築地のH君も残念がる。確かに。更に本日は神戸での講演で「「小泉さんも苦悶していると思う。周りからとやかく言うべきでない」としながらも「自分の気持ちと国家の命運のどちらを優先させるべきかだ。日本の将来がどうなるかという問題だ」と述べ(しっかりと周囲からとやかく言っているが……笑〜今年の参拝は自粛すべきだとの考えを強く滲ませる(毎日)。小泉三世への自粛圧力は一層強まり参拝続ければ首相失格、折れれば男小泉の汚名で他に取り柄といへば軽口くらいでは首相失格。
▼一昨日紹介の住基ネット訴訟の二人の判事について多摩のD君より詳しい履歴紹介あり。金澤地裁の井戸謙一裁判長(31期)は福岡地裁小倉支部(85年)、大津地裁彦根支部(88年)、大阪高裁職務代行(92年)、山口地裁宇部支部長(95年)、京都地裁(99年)で02年から金沢地裁。一方の名古屋地裁の西尾進裁判長(28期)は最高裁行政局付(79年)、那覇地裁(82年)、国税不服裁判所(84年)、東京地裁(89年)、司法研修所教官(90年)、浦和地裁(97年)で2000年から名古屋地裁部統括。一見しただけでどちらがエリートコースか瞭然。住基ネット訴訟のS弁護士は「渋々と支部から支部へと支部巡り支部(四分)の虫にも五分の魂」と戯歌を詠んだそうだが、どういう判決をしていく人が出世するかもわかり易い。判決はこちら。