富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月九日(木)小雨。信報の巻頭一面広告に行政長官「選挙」「立候補」中のドナルド曽蔭権君の弟で前警視総監の曽蔭培君が大福証券なる証券会社の広告に登場。「投資は経験を信じる」とのキャッチコピーに兄・蔭権よかずっと二枚目の(確かに下手な役者顔負け)の弟がほほ笑む。この前警視総監、退官後は新創建なる財閥系投資会社に役員で参入。それだけでも呆れるが今回は兄が御用選挙とはいへ選挙期間中に弟がこの証券会社の広告で登場し「信頼」を語るは見方によれば兄の選挙運動の一環に映るし、そう見られたくないなら控えるべきだし、粗忽にも粗忽。兄も董建華君辞任(つまり自分が後継者)とわかった日に中国国家口笛で吹きつつ微笑みながら政府総部に出向く粗忽ぶりといい弟の退官後のこの様といい恥ずかしい態。晩遅くまで任務あり早晩に独りFCCにて夕餉済ますに訪れれば昨日日剰に紹介のDadid氏は余が入つてくるのを見るなりドライマティーニに着手しようとしており余が敢えてバーカウンター避け遠くのテーブルに坐り「今日は飲めない」と合図で了解、と。心地よし。本日は昼間、ある団体を香港歴史館に案内し廿余名に解説施し晩も三時間話していたがため喉痛甚し。
▼昨日の蹴球北朝鮮戦のあとのNHKニュース10にて、そういえばかなり気になったのが日本サッカー協会会長の川口?君だかがバンコクから番組に出演していたが試合後に選手とは話したか?との後に女性アナが今回の勝利について「中田選手は何かおっしゃってましたか?」と質問。サッカー協会会長にもここまでの敬語使わずなのに中田様は其処まで偉いか、と驚く。中田なる蹴球選手がなぜそこまで英雄なのかZ嬢ともわからぬと首を傾げるばかり。
▼豪州にて政治亡命希望の中国大使館一等書記官氏。中国の在豪大使はこの外交官の帰国促し「中国には彼を処罰するいかなる理由もない。彼の自由は保障されている」と宣ふ。中国は約千人の諜報活動員が豪州におり民主運動家や法輪功などを監視と公言した外交官にいかなる処罰もないとは……。中国万歳。この外交官は豪州が亡命受け入れない場合は米国への亡命も企図しているようだが米国は米国で二年前に中国から若干十五歳で単身密入国の少年に対して仮釈放中で毎月一回の当局への出頭義務づけていたが担当官が三ヶ月に一回で宜しいと述べた上で三ヶ月ぶりに出頭したところを出頭遅延を理由に再拘留し危うく強制出国。少年は通う学校でもかなり優秀。この孤立無援に市民や弁護士ら手弁当で応援。少年は当局が彼の強制退去を狙い誤った情報を流したとして係争中(紐育時報)。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/