富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五月十一日(水)未だ雨止まず。午後遅くに香港歴史博物館。近々歴史館にて案内役する数名の知人に請われ歴史館の案内内容とコツについて多少指南。早晩に銅鑼湾。昨日入手のPowerbookにつきスペックに不具合ありヰンザーハウスのアップル製品扱ふC店に寄り簡単な修理請ふ。C店に何の偶然か畏友O氏と邂逅。O氏開口一番「あれ、またマックユーザーになったのですか?」と。O氏はマックといいContaxなどレンジファインダーカメラなど趣味の話とても合う御仁で誰かに話したきここ数年のマッキントッシュからの浮気の懺悔。でO氏強引に誘ってビル1階のデリフランセで珈琲一服し談義。O氏も偶然にiMacのG5に食指動きC店訪れたそうで実は畏友M君も昨晩訪れており「ここ数日の低気圧は人の物欲を駆り立てるか」といふことにする。帰宅しようかと思ったがふらりと開店間際のバーYに寄りフォアロゼズのハイボール二杯。帰宅してパスタ。文藝春秋六月号読む。総力特集は「中国に告ぐ」って本当に文藝春秋的なオトーサンたちこそ中国の呪縛。中国という敵がいてくれればここまで元気になれるのか、と呆れるほど。中国というバイアグラ。本来の保守反動右翼であればもっと本居宣長的に漢意捨てて豊葦原に復るべきで、このオトーサンたちは伝統もなき、単なる「僕って何?」のアイデンティティ探しの旅で中国という僕の前に存在する敵に勇敢に立ち向かうことでの自我の目覚め。確かにオトーサンたちの指摘の中には事実あり。それは否定できぬが、石原慎太郎の緊急提言「北京五輪を断固ボイコットせよ」を読んでも重要な指摘がいくつもあるのだが中国が一党独裁で自由なき社会であるのは事実でも共産党一党独裁が今の時点で崩壊した場合の日本の国家社会が接けるであろう重大な被害を考えれば寧ろ特色ある社会主義下での経済開放政策で日本が経済的に受けるのが恩恵だけであることがどれだけ中共に感謝すべきことか。そして何よりも深刻なのはオトーサンたちの勘違いの現況で例えば石原慎太郎靖国神社を「日本人の精神と文化の本質に深く関わるもの」とまで誤解していること。あの神社が近代国家の産物で日本人の精神や文化の本質とは全く関係ない神社であること(梅原猛)がわかっておらぬ。松本清張続き読む。

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