富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五月十日(火)大雨。余はじつは未だマックユーザー。最近は日常生活こそ巨人読売マイクロソフトでヰンドウズ使ふが内心はやはりMacintoshなのだがグラフィックデザインするでもなく而も作業場にあるマックが5年も前のパワーマックG4機(岩井俊二監督の『リリーシュシュのすべて』で主人公の少年が使っていた、あれ)で而もOSが9.2で(だがこの9.2こそ本来のマックOSでその後のXとかは邪道であるとも言われる)古い資料の再利用時くらいしかマック用いないで、あとはいつもONにしてRTHK(香港電台)のニュース速報つけっぱなしにしていたが、そのG4機もついに故障し「もういいか」と思って三日ほど過ごしたが、やはり「マックのいない生活」に耐えきれず作業場用に「持ち歩くには重すぎる」Powerbook G4の12吋(こちら)を入手。やっぱりマックやなぁと感動の使い心地。やはり感性の違い。早晩にジムに行くつもりがマックの環境整備と雨で断念。晩にZ嬢と外食の予定だが悪天候恐れ珍しく「食文化不毛の地」太古城のシティプラザに参り此の商業施設内では恐らく唯一食すに値する西苑酒家と思ったが階下に上海点心で著名の王家沙があり香港ではホンハムの蔡瀾美食坊の店が有名だが太古城に新店で繁盛ぶりは午後七時でかなりのもの。試しに食すが「西苑の叉焼にすればよかった」である。客待ひは今まで飲食店で接客した経験乏しき者多し。味は有名な小籠包は(上海料理だからとはいへ)塩味が強すぎ豚肉の旨み失せる。担々麺は上海風で及第だが紅油抄手に至っては「手で抄ふ」の意味合いも理解できておらず。残念。この王家沙でもそうだし同じ太古城には銅鑼湾時代広場にまで進出の翡翠麺家などあるがMTR東涌線オリムピック站の名前失念の担々麺「行列のできる」店も同じで「味に個性ない」と断言する。さすがに休肝日。帰宅してゆっくり入浴し松本清張『神々の乱心』ようやく上巻読了し下巻に入る。松本清張の遺作(未完)は無論松本清張でなければ書けぬ時代と様々な小忙しき社会縦横無尽さなのだが一つの作品にするには脈略がどうもいけない。エピソードが飛びすぎ。特高警察の刑事と華族次男坊の二人がそれぞれ「なぜそこに辿りつけたか」が余りに偶然多すぎる感あり。
イラクで今度の捕虜になった日本人はプロの傭兵。而も元自衛隊で「現場」求めて。市民運動家=左翼で今度がプロの傭兵では築地のH君の言葉借りればまたダブルスタンダードと揶揄されるのも必至。政府関係者や「米軍関係者でも非武装なら」殺すなと訴えられようが。それでもプロの傭兵を「殺すな」と訴えるのが真の人道主義か。それにしてもジャーナリスト、左翼系市民運動家で今度が傭兵。勝谷誠彦氏がこの傭兵が「軍人」としての国際法上の扱いになった場合に「軍隊」を持たない筈の日本の国籍を有する人物が「軍人」として交渉の対象となった時に政府はどういう態度をとるのか興味深いと書いているが確かに。昨晩の読売夕刊は「残忍犯行 軍民区別せず」と走ったらしいが(H君談)軍民区別せぬのは米国やイスラエルお家芸。それにしても新聞が敵味方はっきりさせ「敵は残忍」とは「いくら読売」でも戦時体制下の報道じゃあるまいし。意識的なのか無意識なのか。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/