富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦四月朔日。連日の深酒に朝寝貪れば窓烈しく射つ雨音に目覚め幾度か地響すらともなふ雷鳴に驚く。午後銅鑼灣に参りジムのトレッドミルで小一時間走る。ジムでの鍛錬中にバンコク在住のY氏より携帯に電話あり。香港の番号ゆへ「もしや」と思えばやはり香港空港での乗り換えでキャセイのラウンジ休息中とのこと。ふと思えば昨晩痛飲の蘇州在住I君が帰途そろそろ空港にいる時間のはずで電話すれば恰度チェックインの最中。Y氏キャセイマルコポーロクラブの金剛石会員で連れのラウンジ利用も可であれば搭乗前に二人で痛飲を、とI君に連絡。もう一軒のジムに移り夕方の拳闘系の有酸素運動一時間。ここ三日自宅にいるより銅鑼灣に在る時間の方が長い。天后で一昨晩に痛飲のU女史と待ち合わせタクシーで北角。A夫妻とZ嬢と待ち合わせジャワロードの鳳城酒家。午後六時で予約も要らぬとタカをくくっておれば満席。母の日の家族宴ばかり。華順越南餐庁に向かえば席あるが十五分後には満席で行列できる。新光戯院にて中国少年京劇芸術団の京劇観る。この劇団、中国戯曲学院附属中等戯曲学校、北京戯曲芸術職業学院、天津市芸術学校、瀋陽師範大学附属芸術学校など華北の京劇学校の十一際から十五、六歳までの精鋭の少年少女集めた京劇団で若手とはいへその技量の見事さは格別。今晩の演目は中国の『楊家将演義』(これは『楊家将伝』とは異なるそうな……こちら)のうち楊家の十二寡婦征西の場を京劇にした『楊門女将』。歌劇としての歌唱と演技は勿論、馬丁や兵役の少年の舞台狭しとトンボを切る技量も舞台の端寸まで見事にこなし本日は千秋楽で殊更少年らは「これでもか」の曲芸に客席は拍手喝采に「好!、好!」の声がかかり舞台袖の楽団員すら驚いて見入る程。途中十五分の休憩はさみ三時間の熱演。見事。これだけの芝居、古典劇評論の村上湛君、築地のH君にも見せたし。

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