富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月廿六日(火)小雨。すでに四十九日の法要済ませたが本日が父の七七忌。満中陰。香を焚き父の遺影に合掌するだけの供養。諸事この二日でかなり片付け第でに机周りの片付けまでかなり済ます。四月下旬まで翻弄された一つ大きな仕事とりあえず一段落した所為もあるがセリーグ読売巨人軍最下位は心の支えでもあり。早晩にジム。半年ぶりだかで筋トレをじっくり一時間鍛錬。灣仔に少し遊び帰宅。タンカレーでドライマティーニ一杯。「灣仔埠頭」牌の餃子や揚豆腐の卵とじなど食し一昨日の雪園飯店の魚翅スープに入っていた金華ハムで葱スープ。まだ塩味が出るのだから雪園の金華ハムのいかに鹹いことか。土曜日の益新飯店の残りの紹興酒飲む。NHKのニュース10宝塚線脱線事故のニュース見る。被害者の遺族のインタビューが続く。香港でもCNNでもBBCでも大事故が起きた場合被害者の悲しむ姿を一瞬映すことはあってもあそこまで延々と被害者遺族のインタビューはない。何故か。「それが報道ではない」から。被害者の悲しみをいくら伝えても事故の解決にならず。もう一つ不思議なことは被害者の遺族が悲しみのなかでテレビカメラを前にじつに見事に語ること。素人が親族を亡くしたなかで何故あれほど語れるのか驚くばかり。それを否定するつもりはないが、それにより報道の原点がズレることに危惧を感じる。悲しみや怒りはあって当然だし、それを見せられれば余も涙腺緩むが、カメラに写されメディアに映されると悲しみや怒りが政治的に全く異なる事象として「利用される」ことの危険性。中国の反日デモと同じ。そして敬語の氾濫。「まだ車内には『乗客の人』が『おられる』と思われます」とか被害者を「被害にあった方々」と北朝鮮拉致者以来のこの用法。海外メディアでも日本=安全という神話の崩壊をいくつか伝えるが新幹線の安全性は確かに世界でも有数だろうが狭軌鉄道で百キロを出すことの根本的な危険性。乗心地も車輌での揺れもひどいのであり整備新幹線より在来幹線の広軌化を検討すべきでないだろうか。それとアルミニウム車輌。電力浪費であっても広軌で重い車輌が走ることの安全性と快適さ。茨城でも常磐線でスーパーひたち号の脱線事故あり。ニュースで昨日の事故報道では茨木市(いばら「き」し)が何度か取り上げられていたが今日は茨城県も「いばら「き」けん」と当然だが正確に発音。「木」は「ぎ」と濁ることがあっても「城」は「ぎ」とは絶対に濁らないのだが茨城の田舎者の発音ぢたいが「いばらぎ」と濁っておりワープロの変換でも正確には「いばらきけん」だが「いばらぎけん」で変換できる事実。村上春樹の初期短編集あまり面白くもない短編多く余り読み進まず。途中で断念しそうになったが『納屋を焼く』といふ作品の主人公の作家と大麻持参してきた男との大麻吸ってのやりとりの会話が大麻で「いかにもありがち」な内容で少し笑える。ジントニック一杯。英国スーパーMarks&Spencerのダイエットトニックという150ml缶が香港の店から消えて久しく残りあと数本。ドライなジントニック作るのに重宝したトニックゆへ無くなるのが悲しい。
Nokia社の新しい携帯電話8800で久々に購買心擽られる。シンプルであることの美しさ。デジカメ機能なければ最高なのだが。
▼中国でインターネットで反日デモ再開を企図した青年が逮捕される。まさに見せしめ逮捕。対日外交で利用するだけ利用され対日「手打ち」となれば犯罪人。国家のために人々がここまで利用される現実の怖さ。
▼台湾より国民党党首連戦氏が訪中。NHKのニュース10では「台湾の最大野党国民党の……」と何度か語っていたが台湾にとって国民党というのは最大野党とかそういうものではない。中国近現代史にあって国民党は国民党。台湾の野党は実質的に国民党、親民党、新党しかないわけで全て台湾独立反対という点では同じ。香港経由でまずは南京訪問。南京は国民党が台湾に逃げる直前までの首都で孫文の中山陵もあり国民党としては中共の首都・北平(北京)などよか最も再訪では南京が重要。といふわけでもともと大陸にあった国民党が出自問う訪中であり連戦ぢたい確か西安の生れだかで「戦線故郷に帰る」であるから歴史的訪問といふには李登輝と亜扁が訪中でもするのに比べれば歴史的といふには「あって当然」のこと。国民党はこの対中安定路線で台湾での支持拡大と政権復帰狙うが中国に根もなき土着の台湾民にとってこの国民党党首の訪中が支持につながるかどうか。この連戦の訪中に「夜も眠れない」と激怒する李登輝君、それに比べ「再選前日に狙撃された」亜扁総統は連戦訪中が台湾にとって対中関係緩和の序になれば意義ありと与党らしい涼しげな態度。したたかさ。連戦の訪中始まっても胡錦涛主席はジャカルタから比律賓に飛びマニラで親善外交展開。中国の外交上手。

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