富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月十三日(水)雨。気温摂氏十五度まで下がる。新聞読めば昨日の温家宝首相が日本の歴史認識に言及の報道。中国政府も対日強硬論かと思われるが実際には注意して温首相の発言を読めば「日本が国連安保理事会常任理事国となるためには」といふ前提であること。常任理事国になりたいなら中韓などに対して歴史認識を納得できるものにせよ、という主張。まさに昨日綴った信報の鄭氏の述べた日本の独自性に対する中国からの提案。朝日の社説は「中国の報道 事実を伝えてほしい」とあり一読せば「当局によって報道が統制される中国の多くの人々には、それ(反日デモの発生)も知らされない。知っているのは、事件の直前まで中国のメディアが繰り返し報じた大量の日本批判だけではないか」といふ部分はまぁタテマエはそうだと思うが(実際には中国といふのは管制マスコミの外でかなり様々な情報流れるし香港の電波届く広東省など殊更)「愛国教育などによって、多くの中国人は侵略当時の日本軍の写真や映像を繰り返し見ている。その半面、武力による紛争解決を禁じた憲法を持ち、核兵器は持たず、戦争に加わることのなかった日本の戦後史はほとんど知らされていない」といふ言及には大いに疑問。日本の平和憲法、非核など日本の理想像については現実の日本政府への非難といつも一緒に書かれる。事実より社説の論を通すために強引な書き方なり。朝、学生で混雑したバスに乗って見たくもないRoadshowなる宣伝テレビ放送強制的に見せられていたら久しぶりにトークショウ開催の喜劇芸人許冠文(マイケル=ホイ)の宣伝あり。一人語りの話芸披露するが唖然とするほどつまらない。ビクトリアハーバーがどんどん埋め立てられ香港と九龍がどんどん近くなる。九龍から香港の知人に「今晩どこで食事する?」と聞こえるほどで、だから2年前にローリングストーンズの公演が金鐘であった時も尖沙咀で“Satisfaction”が聞こえるから誰も入場料払って見に行かなかった……と、この小話の何処が面白いのか。弟の「歌聖」サム=ホイが復活公演で見事にカムバックしたことに便乗しての大規模なショウだろう。かつての『ミスターBoo』の映画を小学生の時に見て喜劇で香港社会に魅せられた我としては絶頂期を過ぎてからの許冠文の映画のひどさと、そしてこのキョービの「あがき」が悲しいかぎり。疲労感ひどくふと思えば四ヶ月に一度の献血がすでに二ヶ月も過ぎ半年献血しておらぬこと気づき早晩に銅鑼湾の香港紅十字会輸血服務中心にて献血。抜血での「すっかり」感は何事にも代えられぬもの。帰宅してかなり久々に競馬中継見ながら競馬。昨年父の容態悪しくなってから競馬は香港国際レースと知古の馬主の馬の時に少し買う程度で今日になって出走表見ても知らぬ馬多し。勘が鈍っているかと懸念したがR3でかたい馬ばかりではあるがQとQPで「圍彩」「贏得多」「運動家」「騰雲」とボックス買いせば「圍彩」「贏得多」に続き「運動家」と「騰雲」が同着で3位となり「圍彩」「贏得多」のQが払戻金HK$505.5、QPでは3着同着も配当があるとは(確かにそうだが珍しいこと)でQPの組合せは3頭で6通りとなりQPだけでHK$493となる。これでけっこう気分よくR5は馬主C氏の「好利高」にご祝儀もあり一番人気「萬事喜」と「頑皮」に「好利高」を加えQとQPにしたらこれも順当に入着でQとQP3通りゲットで配当金はHK$536.5なり。三連単でいっていればこの2つのレースでHK$8812……「もし」の話だが。
▼十日に京セラがデジカメ生産から撤退が事実確定(こちら)。それだけでもU4Rを先日購入の我は悲しき事実であったのに昨日は青天の霹靂でなんとContaxのカメラ生産まで終了と発表(こちら)。コンパクトカメラはT2、メインにはG1愛用する我には残念極まりなし。而もG1を先日数万円出して修理。年内の生産中止で願わくばGシリーズ用のレンズ揃えたいとかG2もできることなら確保して置きたいなどと考えもする。
▼築地のH君から面白い指摘あり。「評論家の××氏によると、現代××の若者たちは、××党の支持者は極めて少ない半面、××党に逆らうこともないという。激しい受験競争の中で、若者たちは与えられた知識を丸暗記することに慣れ、党の情報管理はたやすくなった」(××新聞より)について「【問い】××に入る組み合わせとして正しいものはどれか」という設問をした場合、答えは
(1)尾木直樹-日本-自民-自民-朝日
(2)劉暁波-中国-共産-共産-産経
(3)デーブ・スペクター-米国-共和-共和-東京スポーツ
のうちいずれかを選択せよ、とすると、答えは実はどれも正解になってしまうのが今日の現実、と。御意。中国の反日運動についても中国の状況の批判記事は簡単で「共産党反日を煽ってるから」「中国でネット社会が広がったから」「中国人が豊かになって日本を競争相手とみなすようになったか」など「中国はどうしてこうなのか」という問いの立て方ばかり。日本のマスコミで日本政府側の責任への言及であるとか、日本の政策選択によって喚起された現象であるといった認識は見受けられず。徹頭徹尾「中国問題」。中国人に反省を迫るまえに小泉三世や安倍三世など反中国反韓国を煽る風潮を警めるべき。中国を経済的脅威見做して恐れるは日本。ここ数日日剰に綴った如く対米関係のなかで日本が対中問題を見据える視点に乏しいのが問題。
民主党の代議士が扶桑社に資本提携する企業としてアサヒビール三菱重工、ワコール、日野自動車、いすず自動車、住友生命、味の素、東京三菱銀行清水建設、内外製薬、大成建設富士通、丸紅、SMK、日本たばこの社名を列挙。厳密にいえば取引先銀行であったりフジサンケイとの株の持ち合い程度なのだろうが。

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