富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月三十一日(木)曇。昨晩遅くに石田衣良娼年』読む。小一時間で読了。ふとしたきっかけで有閑マダム相手の買春始めた大学生(リョウ)の話だが主人公よか自虐的な同僚の少年のほうが興味深し。本日。昼に中環の陳成記でカレー牛南麺食す。中環の昼の飲食店混雑凄まじく昼時遅く外して正解。でもまだ混雑。Space Museumにてマレーシア映画『霧(Sanctuary)』(監督:Ho Yuhang)観る。今ひとつ捕らえ所わからぬ抽象的な生活片。会場の数少ない観衆に映画評論家佐藤忠男氏ご夫妻あり。上映と監督談義終わり会場出たところで佐藤氏ご夫妻に失礼承知でご挨拶。突然のことながら丁寧に応じていただきご夫妻からアジア映画事情など貴重な話暫しお話あり。この香港国際映画祭に続き開催されるシンガポールの同祭の話となる。今年はこのシンガポールの上映作品が香港よりかなり興味深し。シンガポール映倫規定の厳しさもあるが興味深い背景についてお聞きする。晩遅く佐敦の上海好好小店に久しぶりに担々麺食す。日本語多少解す、開店の頃から働くオバサンおりちょっと退いたが案の定担々麺注文すると混雑する店で大声で「坦坦そば!」と応じられ恥ずかしく頷くと日本語で「辛い、いい?」と追い打ち。愛嬌かもしれぬが恥ずかしいかぎり。帰宅。一連の石田衣良モノ読了したので久々にジョン=ダワー『敗北を抱きしめて』読み続き。
▼今年の香港映画祭で香港の大通りに掲げられた籏のデザインは秀逸。見事な達筆で「香港国際電影節」と書かれた、これは芸人アンディ劉徳華氏によるもの。この御仁、香港芸能界のスターであり四十過ぎてもまだ永遠のアイドルだが何が凄いかといへば歌舞音曲だけにあらず、その教養とそして何よりもこの達筆。若い人でこれだけの書家もなかなか居るまい。

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