富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月廿四日(木)悲しきほど快晴。昼に食通A氏らと三人で灣仔の私家房・四姐川菜にて担々麺。美味。辣味噌余して白飯もらって平らげる。昏時FCCにて晩飯済ませ一更に尖沙咀にて薮用済ませジムに寄り午後十一時半より旺角の勘違いなLangham PlaceのUA映画館にて映画祭の深夜上映で松尾スズキ監督の『恋の門』観る。あっと驚く豪華キャスト。前半の作りの良さに対して後半の漫画バドルからがちょっといただけず。映画終わって深夜一時半。日本なら路頭に迷うが深夜の旺角人出多く香港島行きのミニバスも便利でわずか十分で北角。タクシーに乗り換え帰宅まで旺角から二十分。二時には臥床。
▼『東週刊』は余り読まぬが表紙に経済学の奇才・張五張教授の深センでの隠遁生活の写真と「張五常流亡生涯大追跡」といふ文字踊り『東週刊』購入し一読。経済学でミルトン・フリードマンの流れ汲む一流の経済学者で米国から香港に戻り香港大学経済金融学院の院長となり文筆も七十年代に信報に始めた随筆賞賛され一時はノーベル経済学賞候補とまで言われ書道から絵画、魚釣から音楽まで何でも玄人の天才肌。親の遺産の不動産も上手に運用し資産は億単位。但しシアトルで経営の古美術商が巨額の脱税で米国当局により逮捕状出ると香港も米国との犯人引き渡しの惧れあり中国内地に隠遁したのが二年前。香港では今でも蘋果日報と同社発行の壱週間に随筆の連載続けるが、それ以外は一切外に出ず。でこの雑誌の特集によれば深センに住まい上海など内地をかなり頻繁に往来とか。中国の経済開放で論陣を張り趙紫陽とも懇意でフリードマン趙紫陽の会談まで成すなど中国政府にもかなり入り込む。記事には深センに住家移した張教授が深センで遭遇の共産党幹部に「米国で共産党員でもないのに捜査対象となっている」と庇護を訴えたといふが、この話は共産党独裁の中国で党幹部に援護求めるには不適切(笑)でちょっと眉唾だが、中国側も米国での脱税犯の扱いに苦心で「中国国内で波風さえ立てなければ米国に差し出すまではしない」といふ扱いとか。

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