富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月廿三日(火)九龍牛頭角の京セラ現法会社にてContaxのG1の修理出来受領。自動焦点のパーツ不良でパーツ交換でHK$1000近くかかる。それでも直して使いたい愛機。早晩にFCCでドライマティーニつい三杯飲む。ラクサ食す。驟雨。尖沙咀に渡り香港文化中心にて仏映画“Un Long Dimanche de Fiancailles”見ようと入場までするが客入りは半分ほどで而も招待券で動員の客多し。監督のJean-Pierre Jeunet氏来場といふが15分以上遅れると放送あり些か鑑賞の意欲失せる。スターフェリーで中環に戻り市大会堂にて豪州映画“Somersault”(監督:Cate Shortland)観る。暗い青春映画だがAbbie Cornishなる少女の演技見事。フェリーで尖沙咀に戻り文化中心に行けば映画『下妻物語』の上映待ちの客長蛇の列。ロリータ服装の少女ら多し。中島哲也監督と制作者来港。あまり期待せず観たが単純に面白い。筋の最後の纏め方が無理矢理。だが、その強引さもけしてキョービの事に非ず歌舞伎でも源平物から曽我物まで「あらら」といふほど「実は……」でまとめてしまふわけで今更云々もせぬが、この映画は最後に人生論、組織論のメッセージ強すぎの感あり。下妻といふ茨城の田舎舞台に(茨城の田舎、って茨城ぢたいが田舎だが)何が香港でウケるかといへば「ジャスコ」が下妻のダサさの象徴としてモチーフとなっており香港でジャスコ知名度からして観衆が大爆笑。確かにこの映画の観衆は香港でも「ジャスコで洋服は買わない」層だが香港ジャスコにとっては有り難くない上映か。映画では「茨城」が「いばらぎ」と発音されているが英語の字幕では“Ibaraki”と正確。映画終わって十二時過ぎに地下鉄で帰宅。深夜ふと今更で石田衣良池袋ウエストゲートパーク』読む。なるほど平成の池波正太郎である。

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