富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月十四日(月)市街の郊外にある実家で突然ワイヤレスランつながる不思議。みずほ銀行で口座手続き。地元の信用金庫。高校出た頃にこの信金に就職した同い年の友人にご祝儀で一万円で口座開設したが何十年も放置しており数ヶ月前に手紙届くが印鑑も通帳もなし。口座の解約手続き。信金の本店で事情話し海外居住で住民票すら海外転出になっており旅券くらいしか本人確認できない旨伝えると住民票は過去に転出の記録があるのでそれだけでも持ってきて欲しいとの事。宅急便の営業所で成田に荷物送る。市役所の出張所に寄り市役所に電話で確認してもらうと転出した住民票の記録は五年で抹消の由。一旦帰宅。午後、タクシー会社で葬儀の車代精算。大通りからかつての花街の入り口に昔からのサッポロビールの看板あり。三業組合の下に水戸を代表する一流の料亭、待合に芸者の置屋などの店名並ぶ。昭和三十年の頃だか余の祖父がこの三業組合の理事長をする。今では看板にある料亭や待合いのいくつも営業しておらず。名残りのみ。寂しいかぎり。ふと「すずき」というラーメン屋、所謂「行列のできる店」だが店構えは(画像)の通りで三十年前に余がこのあたりをブリブリ言わせ遊んでいた頃もやはり今と同じくらいに古臭く当時は所謂ラーメンブームもなく入ろうと思ったこともなし。それがいつの頃からか地元の名店となる。ラーメン250円。店には店の仕来りあり注文ととりに来なければ茶水も供されず。ラーメンこそ運ばれてくるが食べ終われば「ごちそうさま」と器さげ帳場で勘定済ます。濃い醤油味だが確かに風味あり。近所の一弘堂といふ古くからある小さな本屋でふと月刊『ラジオライフ』購入。余が子供の頃はBCL全盛でこの雑誌は貴重な情報誌であったが今ではケータイ改造だので雑誌力退えず。復た信用金庫。事情説明し書類六枚ほど住所氏名捺印繰り返し『ラジオライフ』のGSM携帯のSIMロック解除なんて記事読んで暫し待ち「おまたせしました」で窓口に立てば「それでは一週間後に出金となりますので」と。もう日本去るので、と受取りを母に委任する手続きでまた書類二枚。住所氏名電話番号の記載にうんざり。国民総背番号制にならぬためには必要な面倒なのか、署名で本人の承認とせぬ不便なのか。結局この手続きで一日が終わった感あり。帰宅。晩にK先生夫妻招き母と妹と品川屋といふ老舗の蒲焼屋。柳川ときも焼で熱燗。うな重。あっさりとした鰻で秀逸。K先生は余の中学の恩師ながらその後両親と交際頂き父の入院や母の介護で病院まで何度も送っていただく。一旦帰宅して三更にスーパー銭湯に浴す。

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