富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

二月廿六日(土)Z嬢が灣仔芸術中心にて或る催しあり手伝い請われ朝から遣いつ走り。今日が今年の香港国際映画祭のパンフ配布とネットでのチケット先行発売開始日で恰度芸術中心にはパンフ並べてあり。今年の香港映画祭は一昨日の記者発表によれば政府支援が40萬ドル削られ昨年のスポンサー・キャセイパシフィック航空退き今年は最後の最後でソニーがスポンサーになったが結果的に上映作品は昨年より20本減の240本だといふ。だが主催者側は160〜200本が収支上のことだろうが理想的と述べる。パンフレットは大きさが30cm弱の正方形の80頁で非常に携帯に不便(画像……昨年のに比べ倍の大きさ)。上映作品が減ったのにパンフの大型化は収入確保のため広告出稿の増加。パンフ一瞥せば例年に比べ上映作品に見栄えなし。台湾映画が皆無。唖然。それでも三月下旬から四月にかけてのこの映画祭でイースターの連休など映画見続けるのは恒例で早速通し券購入せむと(出先までノートブック持参してあり)芸術中心抜け出し向かいの香港會議展覧中心の建物に入れば無料でネット接続可。あゝなんといふ香港のこの便利さ。昨年までのネットでの先行発売でのネット渋滞ありそれを覚悟したがすんなりと繋がりHK$1200で通し券“Super Value Pass”購入。午後まで催しの手伝いしつつ映画祭の中身吟味するがやはり魅力なし。どうしても観たいといふほどのゾクゾクする作品なし。映画選定の担当者に大きな変化か、予算の問題か。ところで今年の特集回顧上映に選ばれたのは木下恵介。小津、清水宏に続きまた日本映画。個人的には木下恵介の映画あまり興味なし。催し物終わりI夫妻とZ嬢と四人でFCC。主餐庁にて遅めの昼食。帰宅。夕方映画祭のパンフで映画祭16日間の観賞日程決めてしまふ。五〇本近くいける筈。毎年のことながらこの映画祭で一年分の映画見貯め。よくもそれほど映画を観ると呆れられるが映画のほんの合間に街を歩いたり本を読んだり、ちょっと気にかかっていた小料理屋に食したりとひとりの時間楽しみもあり。ネットで通し券では見れぬ開幕&閉幕記念上映や特別企画上映も早々にチケット予約完了。ちなみに開幕記念は中国の顧長衛監督の『孔雀』と山田洋次監督の『隠し剣鬼の爪』。山田洋次作品は初期の『男はつらいよ』まではいいがそれ以降は個人的にはとても苦手。山田監督は一昨年の映画祭に開幕上映で『たそがれ清兵衛』選ばれたがSARSで来港せず。万雷の拍手に監督おらぬ失礼。自宅からジムまで走りジムで半時間走る。トレッドミルで走った記録で計算すると「かりに」フルマラソン完走できても五時間越える……まずい予感。帰宅しておでん。菊正宗。ブランデー飲み早寝。

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