富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十二月廿日(月)晴。会う人毎にメリークリスマスと祝され「余はキリスト者に非ず」と思いつつ「ええ」と答えるのみ。大型商場の入り口ではクリスマス禮品の包装サービスありパート職員の拙雑なる包装に「ちょっと替りゃんせ」と言いたいほど。早晩にジム。湾仔に用事ありジョンストンロードの元朗好到底にて蝦子麺の乾麺購ふ。帰宅途中に地下鉄で上野千鶴子小倉千加子富岡多恵子の鼎談集『男流文学論』のうち吉行淳之介のみ読む。痛快ではあるが吉行に比べれば荷風のほうがエッチ上手の筈だの余りの会話に唖然ともしつつ女性からしてみれば男の会話などに同じ不快感をば感じること多いわけで裏返しといへば「なるほど」と勉強になるところもあり。帰宅。月本さん日記に紹介される「わーずわーす」創刊号編集部より郵送で届く。月本さんのご厚情に感謝。贅沢な雑誌。最近の余の「気持ちは贅沢に支出は必要な真当なものだけにたっぷりと」といふ日常に合致。贅沢ゆへ次号から今後大変。少しでも何かお手伝いできればと考える。エコロジカルなスローな香港特集はぜひお願いしたいところ。創刊号の特集は台湾の玉山。ニイタカヤマノボレのこの山が台湾のこの最高峰で富士山より高い海抜四千米であることも今の若い方にはまずそこから説明要すが写真もダイナミックにて台湾の観光案内もじつに上品。戦前から戦後にかけての共同通信の名特派員太田誠の特集記事もあり。昭和廿六年香港に戦後初めて特派も同氏。AP通信の支局に机借り湾仔六国ホテルの部屋をその後支局兼宿舎とする、とあり。このホテルは電信局と郵便局に近いのが好都合。電信局は現在のテレコムハウス(電訊大廈)。かつての大東電信局。今でこそ通信社新聞社テレビ局など何処からでも通信能ふが昔はこの電信局海外電信設備ありNHKなど海外電信要すマスコミはこのビルに集結。郵便局とあるのは六国ホテルの向かいには現在税務大楼にグロチェスター郵便局あるが当時は六国ホテルは沿岸。当時も湾仔ではこの近くは香港警察近くの軒尼詩道郵便局しか存在せぬとすれば六国ホテルから近いとはいえず。推測だが湾仔波戸場に航空便の郵便が届く専用の郵便局でもあったのかどうか。機会あれば六国ホテルのL支配人にでも確認。昨日我地農荘で購入の野菜でサラダ。ホワイトシチュー。赤葡萄酒はVereto Salice Salentinoの'00年。

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