富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月五日(月)多雲に屡ば驟雨あり。築地のH君モンゴルのウランバートルからメールあり。同市のサイバーカフェより、と日本語でメール。ウランバートルにサイバーカフェの存在は驚きもせぬが日本語可とは。昨今の相撲人気で郷里の誇りドルゴルスレン・ダグワドルジにメールする時に高砂部屋にメールしてやはり「恐れ入りますがこのメールを朝青龍関にお渡しください」と書くためだろうか。参議院選挙在外投票済ます。投票所に詰める方に挨拶し投票に来た有権者も知人で挨拶と辺鄙の村の投票所の如し。投票用紙などの記入がなぜ鉛筆なのかと気になる。文藝春秋七月号読む。読んでいて何度かデジャヴの如き感覚あり三分の一ほど読んで已に素読していたこと漸く思い出す。老いのボケとは恐ろしきもの。早晩にジムで半時間の有酸素運動済ませ九龍で薮用のあと二更に自宅近所のジム閉店間際に半時間筋力運動。
▼カジノ経営独占崩れたマカオにSandsに続き新たなるカジノGalaxy開店。二ヶ月余前のSands開業の折は開業日には祝儀ありと噂ながれ大陸から多くの田舎博徒と無知なる民衆殺到し大混乱の教訓から開業前に「一切ご祝儀なし」と告知し開業に並んだは僅か二百余名の客。SCMP紙には客のコメントとして「狭すぎるし客を選り好みする」と不満の声。開玩笑。カジノはパチンコ屋だの常磐ハワイアンセンターに非ず。賭事といふハレにて本来なら身を浄め正装し神のお告げ聴こえむ程の心地にて臨むべき俗にして神聖なる場。選ばれた客が狭くも静かに落着いた賭場で博打の何が悪いのか。ゲーセンの如き感覚にて野暮な軽装にてわいわいがやがやと物見游山の如く集団で押しかける、それが経済成長でありレジャーの振興か。聴いて呆れるばかり。
▼中国の政治の面白さ。国家副主席であり香港マカオ政策担当である曾慶紅氏、穏和さで香港でのウケも佳いが、六月末にアフリカ諸国歴訪。身はアフリカにあっても連日マスコミ連れての対香港問題のコメント発表。アフリカ諸国にしてみれば「何しに来たの?」の世界。で実はこの歴訪終った曾慶紅副主席、北京に戻らず極秘で深センに降立ち、深センにて香港のテレビなど見ながら七月朔日のデモ観察といふ噂あり。駐港の中国政府の官僚呼出し今後の対香港政策について指示とか。

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