富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月朔日(木)かなり久々に十時間も寝て朝九時に起床。陽差しあるもののチカチカと光り九龍の市街は乳濁色の霧の向こうに見えず一見して台風の影響か大気の良からぬ様子。本日のデモ参加呼掛ける蘋果日報だの読む。昼前に少し走りジム。テレビに今朝の返還記念日恒例の香港政府「不」要人集っての湾仔金紫荊広場での国旗掲揚式の模様映り眺める。人民よ立上がれ!と、まるで革命者とは意を異にする人々が中国国歌歌う可笑しさ。続く朝から三鞭酒乾杯の返還記念式典の模様流れ董建華が昨年のデモに言及し香港政府も民意組入れ改革に努力……と言葉泳ぐが昨年のデモに言及したことだけでも驚き。ジムの帰りに驟雨あり。これでデモ参加者減るのか摂氏三五度近き気温下がり参加者に恵みの雨か。午後一時半すぎに地下鉄でビクトリア公園近くの天后。昨年の黒色のシャツ来た者らで地下鉄満員、地下鉄站から出られぬ混乱もなし。天后の大利にて牛南河食す。美味。この店もデモ参加者がデモ前の腹拵えで繁盛。デモは三時開始予定が参加者多く、参加者ビクトリア公園に濫れる場合はデモ開始時間早めるといふ予定通り二時半前にはデモ出発。先頭の一団に混じり写真など撮りつつ銅鑼灣(写真)。デモに先回りして地下鉄にて(他の交通機関全面停止)灣仔。金鐘に至ればデモ未だ見えぬうちにクィーンズウェイの通りも全面通行止。警察の手際の良さに感心し日本の警察の機動隊がデモ隊威圧する様との違い痛感。香港公園の池に蓮の花多く咲く(写真)。香港政府本庁前はまだデモ隊も参らず静寂(写真)。FCCに参りバーに暑さ癒しドライマティーニを二杯。日刊ベリタに記事書き始める。午後四時前にデモ参加者数二十万人と主催者側発表あり。記事送稿(こちら)。日刊ベリタのS氏FCCに来られ余のノートブック借りて香港大学の民意調査センター鐘庭耀教授のインタビュー記事送稿。ブラッディメアリー飲む。デモ参加者は35万人まで数字上がる。早晩に唯一動く地下鉄にてQuarry Bayに向い酒場East EndにてI君と落合いエール二杯。太古坊の彩雲軒に食すO君家族、I夫妻らの卓にI君と合流し晩餐。和仁廉夫氏より電話頂き和仁氏ら食事中の灣仔の幸福楼海鮮酒家に参り和仁氏と初めてお会いする。渋谷の映像番組製作会社のS氏、地元製作会社のT君、それに実に十三年ぶりかで再開の日本語達者なR君あり。和仁氏とは初めてお会いしたが話せばまるで十数年の知己の如し。築地のH君や古典劇評論の村上湛君、月本氏と初めて会った時の如き一期一会感じ入る。話題尽きず八月の再開を約しお別れ。ジムに一浴し怒濤の如き日の労れ癒し帰宅。デモ参加者は最終的に主催者側の発表は53万人とか。日刊ベリタに掲載の記事訂正入れ一日が終る。
▼香港末代総督クリス=パッテン君が「香港は従来、政治問題はなく、現在の政治的問題は外部からの要因」と発言。中国にしてみれば「貴様が持込んだんだろーが!」と反論であろう。ヘラルトトリビューン紙には、今週に入り中国からのツアー激減。実質的に中国からのデモ参加者抑制との報道あり。六月四日に天安門事件追悼で中国から香港渡航自由化で少なからず参加の轍を踏まぬ算段か。

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