富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月廿五日(金)朝早く目覚めるのは老ひの証左。目覚時計啼らずとも五時半だの六時には自然と目覚め無理に二度寝せば疲労感甚だしく結局起きて、さすがにランニングといふ気力なくも、朝刊の配達待ち読出すは暇老爺の如し。朝日新聞の読者謝恩抽選の結果チラシにて配られ、たかだか香港のわずか数千であろう地域の購読者対象で実名掲載に何人も知人の名あり。良識派とまでは言わぬがいかにも「読売は読むまひ」といふ御仁ばかり。香港にて産経など論外だが。赤旗とか聖教新聞なら政党支持の傾向までわかるといふものだが朝日読むだけで偏向者か(笑)。ところで香港で赤旗の購読は可能なのだろうか。驚いたのはこのチラシ、OCSによる配達ばかりか(OCSは朝日と日経が出資)読売の読者もこの抽選結果知る方あり。当然、他の新聞の購読者に見せて「ほら、朝日はいいでしょう」が狙いなのか。だがインパクトとして香港柔道館岩見館長起用し「私も読んでます」広告の読売に負けているのは確か。富柏村は朝日が嫌いなみたいなのに朝日を読むのかと知人に言われたがこの日剰でもかなり朝日の記事だの記述内容罵るが朝日の論法の幼稚ぶりに呆れることあっても憲法教育基本法の改正反対など主張同じくする点も少なからず。読売新聞は渡辺恒夫君逝去まで読まぬともう二十年ほど前に決めており(だがナベツネはどんどん元気になってゆく)産経など論外、毎日は衛星版の発行すらなし。で結局、朝日。早晩に自宅近くのジム。これまで何度か訪れるも銭湯感覚で蒸風呂使うばかりで此処にて初めて鍛錬。自宅にてカレーライス食す。
▼昨日のFinancial Timesに韓国人青年のイラクでの殺害の報道でShim Jae-hoonといふ韓国の政治評論家曰く「韓国は資源の70%を中東に委ねており、それゆえ中東の安定に寄与しなければならない」と、それが何故、米国のイラク占領への加担なのか余には理解できず。記事の写真見れば祭壇の慰霊写真の左の弔花には慰霊写真大の名札にハングルで「デトリョ(大統領) ノムヒョン」とあり。この青年の死の元凶の如き国家元首の弔花が慰霊に添えられるのが現実。
▼米国ではようやく今ごろになって米軍のイラク派遣が間違いであるとする市民が世論調査で半数越える。これだけの代償をば得ねばそれが理解できぬほどの知力の低さ。日本も今になって小泉三世の支持率が四割まで下落。不支持もほぼ同率。小泉三世就任当時に支持率が八割越え不支持は一割。つまり現在も小泉支持のコアな頑固な保守層は別として小泉三世就任の際にすでにあの「胡散臭さ」明らかであったのに「小泉さんなら」と信じて今は不支持にまわった三割から四割の気分層。昭和の初めに軍国のお国のためと奉公し戦後がらりと平和な日本謳歌するマジョリティがこの層。怖し。
▼同日のFinancial Timesに特集記事出ている米国の民主党イリノイ州選出の上院議員バラック・オバマ君(43歳)、今回の大統領選挙の結果如何だが上手くすればかなり早い時期にこの黒人議員が民主党の大統領候補となり米国初の黒人大統領になる確率はかなり高いのではなかろうか。注目しておくべき。親米国家たる日本でありながら日本語のサイトでこの議員紹介するはわずかに一つだけ(こちら)。何が親米か。米国のことなど何も知らず。呆れてただ嗤ふばかり。
▼昨日の中国政府系紙に中国共産党の夏の恒例・北戴河会議胡錦涛君の提唱によりこの夏は開催中止と報道あり。清朝の時代より王族の避暑の海浜にて「解放」後は警備厳重なる共産党幹部専用の海岸に別荘あり毛澤東により五十年代よりこの地にて夏に重要なる会議開催される。登β小平も此処に海水浴に遊びすっかり日焼けした登β氏のトランプゲームに遊ぶ写真は一時は夏の風物詩の如し。本来正式な政治機関でなきこの幹部会議をば胡錦涛君は国家主席就任早々昨年も見直し図るが江澤民系の旧守派は昨夏この地に集い威勢を示す。二年目で胡君の地盤固まり会議中止徹底。但し共産党幹部用の別荘地での避暑はこれまで通り。政府幹部用の、ましてや自民党幹部用の避暑地もなく、首相などせめて品川だかのプリンスホテルの客室で静養とは日本はこの一党独裁国家に比べればまだマシか……

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