富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月廿三日(水)曇。朝に午後にと驟雨あり。もう今月末に閉店かと名残り惜しくQ麥に担々麺食すが昼時とはいへかつての賑わいなし。歯科治療。治療終れば歯科医に「領収証は要るか?」と尋ねられ一応で「要る」と答えるとHK$700と言われ言値の世界にてまさか「高い」と治療終って交渉もできず(できるのかも知れぬが)ふと思ったはもしかすると領収証の要不要はある意味、符丁の如きもの、領収書が要る=歯科保険なりに請求可、領収証不要=自腹で、もしかすると領収証不要と申せば歯科医も不憫に思いHK$500で済むとか、そういうこともなきにしもあらずと感ず。早晩にジムに寄るつもりが急な仕事入り自宅にて夕餉の際にふと何を思ったか余は飲酒避け晩の二更に小一時間Quarry Bay公園走り帰りにジムに寄る。健康バカの如し。だが間違っても運動→自民党支持といふ無節操にはなるまひ。べつに自民党支持が悪いのではない。問題はスポーツすること→陸連だのナントカスポーツ連盟の子飼、言いなり→政党の集党装置→著名スポーツ選手の政界入り、といふこの思考性の欠如が問題。たまには日本共産党を支持します、とかってオピムピック選手とかいると面白いのだが。……などと綴っていてふと八十年代後半に原宿など路上で反天皇制題材にした<秋の嵐>の美津毅君のこと思い出す。何故思い出したかわからぬ。走ったあとに麦酒は美味かろうがこれを飲んだらお終い、ってんで我慢したが結局ウヰスキーソーダ割。自慢ぢゃないが(って自慢してるが)ソーダ割にするような安酒なく(勿論いい酒でソーダ割はそりゃ美味いが)結局サントリーの山崎でソーダ割二杯飲んだ酔いの所為か(ソーダ割はFCCのスコッチもブレンド酒Famous Gooseは立派)。武蔵野のD君に誘われ(といっても彼は当時武蔵野在住でなかったが)美津君の早稲田の下宿にお邪魔したこと一度あり。遠い記憶。大学中退し社会新報の記者となった美津君が95年にバイク事故にて二十代後半で逝去。D君より知らされかなり驚く。三十代後半の彼などいたら社会民主党から立候補でもしていたのか……いまの社民党ぢゃ意味もないか。
人民解放軍の演芸団の香港公演あり。もともとは土民に鬼か邪かと恐れられし共産軍が兵隊が占拠せし山村にて歌や踊り見せ土民の好感得たるが始り。この使命半世紀余を過ぎても未だ何ら変らず。だが軍服着た吹奏隊だのならまだしも戦前の浅草のVaudevilleの如き演出に此方が恥ずかしさ感ずる程(写真は後日掲載)。
参議院選挙での朝日の社説「比例区 参院はプロレスの府か」の題に笑ふ。言い得て妙なり。だが現実がスポオツ選手だの芸人だのにて票稼ぎといふ政党にとって最も阿漕な手段横行でまさにプロレスの府。民意の本意も良識も繁栄されぬのならどうせなら「祝儀院」とでも改名しては如何か。勿論、芸人出身でも中村敦夫君の如き立派な参議院議員もおり中村君の如き大規模政党に属さぬ良識が繁栄されるのが参議院のはず。

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