富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月六日(日)多雲。八時過ぎには起きたものの虚ろに午前中過し(といっても慌てて競馬予想も事実)昼よりジム。連日の辱暑に慣れた身には涼すら感ず天気に旺角の繁華街より休日に閑かな問屋街散策(写真)。 九龍某所にて競馬のテレビ中継。安田記念ツルマルボーイとは、雨だしね……と言訳。香港も午後遅く小雨。中環に戻りFCCの酒場も日曜午後の閑散。ドライマティーニとフェイマスグースでウヰスキーソーダ。ジュネの泥棒日記読む。FCCではノートブック持参の前々回にはワイヤレスLANのIPアドレス貰ったが繋がらず前回二度目でシステム担当の職員に尋ね毎月変更のパスワードあることを知り(そんなこと書かれてもおらず)今回は勿論快適に繋がり月本さんのサイトで安田記念に氏は三着となったバランスオブゲームに賭けており今頃残念会と知る。蘭桂坊で閉店の憂き目に遭う可能性高きクラブ64をば写真に残さむ(写真)とさすがに日曜の夕方で閑散とせし蘭桂坊の路地を入れば近頃尖沙咀のスターフェリーの波止場にまで新規開店といふXTC Iceの店が蘭桂坊にまでありそういへば昨晩Z嬢に明日ジェラート買ふからと口から出任せで言っていたこと思い出しジェラート購入し熔けぬようにと帰宅急ぎテキシに乗れば運転手に日本人か?と訪ねられ日頃の癖で今日は「え?……台湾人」と答えたら運転手が台湾語のマネして陳水扁は自作自演で撃たれて大統領に当選とか口にする。帰宅して本降りの雨に煙る市街を眺めつつピンクフロイドのThe Wall聞きながら亦たドライマティーニ飲む。晩に客人あり印度料理。印度料理はウヰスキーかとサントリーの山崎。NHKの大河ドラマ新撰組!』三十分ほど見るがやはり見ておられず。音楽はサンダーバード、筋は京で相撲だの新撰組の資金源が云々だのと新撰組がかつての「一世風靡セピア」の如し。少し転寝して起きて月刊『東京人』七月号読む。創刊より読んできた東京人だが二百号境に何かつまらなくなった気がして定期購読中止決定すればこの号は「東京笑いの系譜」といかにも東京人らしい特集に、今どきエノケン取り上げ「最後の伝令」など脚本の菊谷榮のこと語られるのなどこの雑誌くらいかと思い、かつてのバンド・有頂天のケラ氏が井上ひさし氏と喜劇語るに時代の変遷を感じるばかり。もう十五年以上前になろうか確か小林信彦の書いたエノケンにまつわる小説だったかに菊谷榮についての記述がありNHKの当時の音芸のプロデューサーM氏にこの菊谷の「最後の伝令」の脚本の複写を貰い読んだが喜劇といふのは脚本読んでもひとつも面白くないわけで、それがこの東京人の特集でジャズの柳澤愼一氏が昭和三十年に日劇でこの「最後の伝令」で義経役(当然、赤毛物のこの芝居に全く関係ないのだが)で柳澤氏が出た時の逸話あり。浅草は常磐座の森川信渥美清の「瀕死の蚊」、大阪に移る前の新宿の石井均、雲の上団五郎一座の玄治店で三木のり平の相棒で活躍の八波むと志など今さら見たいと思っても見れる筈もなし。三更に雨激し。

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